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2013 年度 実施状況報告書

胆道がんの分子標的治療を目指した包括的ゲノム解析の応用

研究課題

研究課題/領域番号 24591006
研究機関東京大学

研究代表者

木暮 宏史  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60568921)

研究分担者 立石 敬介  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20396948)
キーワード胆管がん
研究概要

本研究では胆道がん細胞株から包括的ゲノム解析により見出された染色体異常・コピーナンバー異常を臨床検体においても検討する。その際には胆嚢、胆管、肝内胆管など異なるがん発生部位ごとの検討も行う。さらに同定された染色体異常に起因する遺伝子発現の変化についても検討し、in vitroの実験系を用いて、それら遺伝子の胆道がんにおける生物学的役割についても明らかにすることを目指す。
がんの発生・進展において、遺伝子上のヒストン修飾制御状態の異常を介した遺伝子発現変化の重要性が注目を集めつつあるが、胆道がんにおけるその関与には不明な点が多い。
最近、一部の胆管がんにおいてはIDH1,2変異が見出されたが、胆管がん細胞におけるその生物学的意義は必ずしも明らかではない。IDH1,2変異は細胞内代謝産物のプロファイルを変化させてヒストン・DNA修飾酵素の活性に影響を与える可能性が知られているが、胆管がんの生物学的特性にどの程度寄与するかどうかは殆ど不明である。よって胆管がん細胞株においてIDH1,2変異によってひきおこされる代謝産物の変化を再現し、がん細胞の表現型、例えば増殖能、遊走能、浸潤能について検討する。さらには遺伝子発現とヒストン・DNA修飾の変化を調べ、表現型に寄与する要因を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

胆管がんにおいてみられるIDH変異の意義についての増殖能、浸潤能などの生物学的解析系の準備は整った。ただしレーザーマイクロダイセクション機器の故障のため、変異の有無についての胆管がん多数検体での検討にはしばらく時間を要する。

今後の研究の推進方策

ヒト胆管細胞株 HUCCT、HuH28についてはIDH変異はない。よってこの細胞を用いてIDH1遺伝子を導入、あるいはIDH変異に伴って増加する異常代謝産物を添加し、遺伝子発現および生物学的表現型の解析を行う。フローサイトメトリーによる細胞周期および増殖率の解析とマトリゲルチャンバーによる遊走能および浸潤能について検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Histone demethylase KDM4C regulates sphere formation by mediating the cross talk between Wnt and Notch pathways in colonic cancer cells.2013

    • 著者名/発表者名
      5) Yamamoto S, Tateishi K, Kudo Y, Yamamoto K, Isagawa T, Nagae G, Nakatsuka T, Asaoka Y, Ijichi H, Hirata Y, Otsuka M, Ikenoue T, Aburatani H, Omata M, Koike K.
    • 雑誌名

      Carcinogenesis

      巻: 34 ページ: 2380-8

    • DOI

      10.1093/carcin/bgt174

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Erlotinib prolongs survival in pancreatic cancer by blocking gemcitabine-induced MAPK signals.2013

    • 著者名/発表者名
      7) Miyabayashi K, Ijichi H, Mohri D, Tada M, Yamamoto K, Asaoka Y, Ikenoue T, Tateishi K, Nakai Y, Isayama H, Morishita Y, Omata M, Moses HL, Koike K.
    • 雑誌名

      Cancer Res

      巻: 73 ページ: 2221-34

    • DOI

      10.1158/0008-5472.CAN-12-1453

    • 査読あり
  • [学会発表] JHDM3C regulates sphere formation by mediating the crosstalk between Wnt and Notch pathways

    • 著者名/発表者名
      Shinzo Yamamoto, Keisuke Tateishi, Yotaro Kudo, Keisuke Yamamoto, Takayuki Isagawa, Genta Nagae, Takuma Nakatsuka, Yoshinari Asaoka, Hideaki Ijichi, Masao Omata, Hiroyuki Aburatani, and Kazuhiko Koike
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜

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公開日: 2015-05-28  

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