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2013 年度 実施状況報告書

ヒストン修飾を介した膵がん悪性度の調節機構の解明とその制御法の探索

研究課題

研究課題/領域番号 24591009
研究機関東京大学

研究代表者

山本 恵介  東京大学, 医学部附属病院, その他 (10608532)

研究分担者 立石 敬介  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20396948)
伊地知 秀明  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70463841)
キーワードエピジェネティクス / ヒストン修飾 / 膵癌
研究概要

平成25年度の研究実績は以下のとおり。
I. JMJD3の発現低下による膵がんの進展・悪性化に関与するシグナル伝達経路を同定する。
これまでに膵がん細胞株においてJMJD3の発現低下により高悪性度のCD47高発現分画が誘導されることを見出したが、本研究期間内には、その機序の一つとしてMAPK経路の活性化が関与することを見出した。具体的には、膵がん細胞株においてJMJD3をノックダウンし、新たに誘導されたCD47高発現分画とCD47低発現分画をcell sorterで分離し、両細胞集団で異なるシグナル伝達経路を、タンパク質リン酸化アレイを用いて探索した。その結果、JMJD3のノックダウンにより誘導されたCD47高発現分画ではMAPK経路が過剰に活性化していることを見出した。さらに、JMJD3の非ノックダウン細胞においても、CD47高発現細胞では(CD47低発現細胞に比して)MAPK経路が活性化していること、JMJD3の発現が低下していることを明らかにすることができた。
II. ヒト膵癌切除検体から樹立した異種移植腫瘍を用いて、上記知見のvalidationを行う。
上記Iにておいて、膵がん細胞株を用いたFACS解析によりCD47高発現分画では低発現分画に比してJMJD3の発現量が低いことを見出したが、さらにヒト膵がん手術検体より樹立した異種移植腫瘍を用いて同様の検討を行い、やはりCD47の発現量とJMJD3の発現量が逆相関することを確認することができた。一方で、PDXを用いて細胞株と同様の実験を行うためには技術面で複数段階の障壁がある(癌細胞の単離、in vitro培養系の確立、transfection系の確立など)。現在、これらの面に関しても、平行して検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間内の目標は以下のとおり;1)JMJD3の標的遺伝子を同定する 2)JMJD3の発現低下による膵がんの進展・悪性化に関与するシグナル伝達経路を同定する 3)がんにおけるJMJD3の発現低下機構を解明する 4)がんにおけるCD47の機能を明らかにする 5)ヒト膵癌切除検体から樹立した異種移植腫瘍を用いて、上記知見のvalidationを行う
上記目標のうち、平成25年度は2) 5)に精力を注いだ。このうち、2)に関して予定どおりの研究成果を得ることができた。現在、2)の結果を踏まえて、4),5)の研究の推進を図っている。
5)に関しては、前年度に続き手術切除検体からの異種移植腫瘍(patient-derived xenograft; PDX)の樹立を継続。平成24年度は4症例から、平成25年度はさらに5症例からの樹立に成功した。さらに、細胞株を用いて得られた知見をPDXを用いて確認することについても、一部の実験において成功することができた。
なお、2)5)に傾注した結果、4)に関しては平成25年度中にはほとんど進展することができなかった。

今後の研究の推進方策

最終年度である平成26年度の目標は、
・これまでに得られた知見のまとめ・論文化
・ヒト膵がん切除検体より樹立した異種移植腫瘍PDXを用いて、CD47阻害による治療効果の検討
を行う。

次年度の研究費の使用計画

最終年度である平成26年度のは、・これまでに得られた知見のまとめ・論文化 ならびに、・ヒト膵がん切除検体より樹立した異種移植腫瘍PDXを用いて、CD47阻害による治療効果の検討 を進めていく。主に、後者の実験の推進のために研究費を使用予定である。
前年度に引き続き、主に試薬・マウス代・マウス飼育費用にあてる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Reduced expression of histone demethylase KDM6B promotes pancreatic cancer progression through downregulation of C/EBPα.2013

    • 著者名/発表者名
      山本 恵介
    • 学会等名
      American Association of Cancer Research Annual Meeting 2013
    • 発表場所
      Washingto, DC
    • 年月日
      20130406-20130410

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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