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2013 年度 実施状況報告書

膵癌における癌間質相互作用に関わるmicrovesiclesの機能解明とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 24591014
研究機関九州大学

研究代表者

清水 祐紀子  九州大学, 大学病院, 助教 (10404021)

研究分担者 水元 一博  九州大学, 大学病院, 准教授 (90253418)
冨永 洋平  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (90304823)
江上 拓哉  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (40507787)
宮坂 義浩  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40507795)
キーワードマイクロベシクル / ギャップジャンクション / 膵癌 / 膵星細胞 / 癌間質相互作用
研究概要

研究目的は、膵癌における膵癌細胞と膵星細胞間の間における癌間質相互作用がマイクロベシクルおよびギャップジャンクションによってどのように制御されているかを明らかとし、それを標的とした治療法を開発することで膵癌の予後改善に寄与することであり、本年度は以下のことを明らかとした。
まず、膵癌におけるマイクロベシクルおよびギャップジャンクションによる癌間質相互作用をヒト膵星細胞の観点から研究するため、前年度にヒト膵癌手術標本から樹立した膵星細胞と膵癌細胞株との間接共培養実験や膵星細胞の上清を用いた実験により、癌間質相互作用を浸潤能、遊走能、増殖能の観点から検討した。この結果、膵癌細胞株へ特に影響を及ぼす複数の膵星細胞を同定した。
また、我々は過去に膵星細胞がヘテロな細胞な集団であり、その中でCD10陽性膵星細胞が癌間質相互作用を通して膵癌細胞の悪性度を増強する作用が強いことを報告しているが、この知見をもとにCD271, CD90, CD146, ポドプラニンなどの細胞表面マーカーにも着目し、膵星細胞の集団中でも特に癌細胞の悪性度に影響を及ぼす集団を同定することに成功した。
現在、悪性度の異なる複数の膵星細胞を分取する事に成功しており、その差異をマイクロベシクルおよびギャップジャンクションの観点から検討する準備段階にある。また、マイクロベシクルおよびギャップジャンクションの膵癌の治療抵抗性や転移・浸潤・EMTへの関与についても検討する方針である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までに数種の細胞表面マーカーに着目し、悪性度の異なる複数の膵星細胞を分取することに成功している。その膵星細胞における差異をマイクロベシクルおよびギャップジャンクションの観点から検討する準備段階にある。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、現在までに分取する事ができた悪性度の異なる複数の膵星細胞および膵癌細胞株の差異をマイクロベシクルおよびギャップジャンクションの観点から検討する。また、マイクロベシクルおよびギャップジャンクションの膵癌の治療抵抗性や転移・浸潤・EMTへの関与について検討する。EMT に基づく転移や浸潤は固形癌に特異で、特に膵臓癌では予後を規定するとされる。具体的には上記の癌間質相互作用において実際に伝達される因子を同定し、抗癌剤さらに固形癌特有である浸潤・転移能やEMT へ与える影響を検討し、またこれらの能力に関連する分子発現を検討する。単培養あるいは間接共培養状態と比較して変化する細胞活性や遺伝子・蛋白発現について解析する。また、NOG マウス共移植モデルにおいて転移や播種に関わる分子や膵星細胞の遺伝子・蛋白発現の細胞間移動による変化を解析する。

次年度の研究費の使用計画

研究が計画どおり進展しているため効率的に使用できたため。
試薬類30万円、抗体10万円、リボ核酸干渉・遺伝子強制発現50万円、実験用マウス60万円、実験用ガラス器具25万円
研究成果発表10万円 論文投稿料20万円

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公開日: 2015-05-28  

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