研究課題
本研究課題では、①活性化した膵星細胞に特異的に薬剤を取り込ませるシステムの開発、②治療効果を評価するための慢性膵炎(膵線維症)モデル動物の開発、を行った。まず、モデルマウスの開発はヒト膵分泌性トリプシンインヒビターSPINK1 (マウスホモログはSpink3)を改変することで、3系統の慢性膵炎モデルマウスを作出することができた。1つめはヒトSPINK1遺伝子をX染色体に置換して、雌ではX染色体不活性化によって、モザイク状に発現させ、正常腺房細胞と死細胞が膵臓内において混在するモデルである。8週齢で線維化と腺房細胞の脱落が見られた。2番目は野生型SPINK1遺伝子をSpink3 locusに置換して、ノックインマウスを樹立し、片方のアリルの発現を抑制すると4週齢で同様に慢性膵炎モデルとなった。3番目はヒト遺伝子膵炎で見られるSPINK1の変異体をマウスに置換して、遺伝性膵炎と同じような表現型のモデルの作出にも成功した。後者になるほど、ヒトの病態を良く反映していると考えられた。すべてのモデルにおいて、膵星細胞の活性化が顕著に見られ(aSMAのウエスタンで確認)、活性型星細胞がビタミンAを取り込みやすい性質を利用し、ビタミンA表出リポソーム(ローダミン含有)を作製し、このマウスに投与したが、星細胞への取り込みは僅かにしか見られなかった。肝星細胞でのビタミンAの取り込みに比較し、膵星細胞では、その活性が低いため、と考えられた。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)
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