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2012 年度 実施状況報告書

三次元培養システムを用いたヒト膵癌幹細胞初代培養系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24591017
研究種目

基盤研究(C)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

樋口 肇  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20306682)

研究分担者 佐藤 俊朗  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70365245)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード胆道学 / 膵臓学 / 癌幹細胞 / 三次元培養
研究概要

本研究の目的は、ヒト膵癌における癌幹細胞の同定、機能解析を効率的に行うための、in vitro初代培養系を確立することである。癌幹細胞を標的とした新規抗腫瘍薬剤のスクリーニングあるいは薬剤感受性試験には、比較的長期間のin vitro細胞培養が不可欠であるが、現在のところ消化器腫瘍組織に対しての効率の良いシステムは存在しない。本研究では消化器癌の中でも特に予後不良である膵癌を対象とし、臨床検体由来の組織を用いて癌幹細胞の機能を評価可能な長期培養系を構築し、その培養系における癌幹細胞の機能を評価・検証する。Matrigelを用いた三次元培養法を導入し、ヒト膵癌組織由来の細胞組織の初代培養を行い、長期間にわたり安定した培養維持を可能とするための条件を検討中である。本年度の検討結果では、短期の培養は可能であるものの、長期にわたる経代培養系においてはいまだ十分な結果が得られていない。種々の培養条件の検討を行う中で、本年度の検討項目として間質組織(細胞)由来の因子による膵癌幹細胞の維持に関する検討を行い、肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor, HGF)、血小板由来増殖因子(platelet-derived growth factor, PDGF)、Jagged-1等の諸因子が膵癌幹細胞の維持に重要であることを見出した。今後膵癌初代三次元培養系にこれらの結果を応用し、効率の良い培養条件の確立を進めてゆく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

交付申請時の研究計画では、初年度に3次元初代培養系の条件を確立する予定であったが、現在なお条件設定のための検討を行っている状況である。短期間の培養は可能であるものの、長期間にわたる経代・維持には、更なる検討が必要である。

今後の研究の推進方策

本研究の現状までの進行状況は、今後も三次元培養のための条件検討を行う必要がある状態であるため、間葉系細胞との共培養系ならびにそれより得られる培養維持関連因子の同定を含めた検討を行う。また、培養された細胞における癌幹細胞の評価(in vitroでのsphere形成能の評価、in vivoでの腫瘍形成能の評価、上皮間葉転換の評価、など)を並行して進める予定である。次年度に使用する予定の研究費は、申請時当初に予定していた額と同額を予定している。

次年度の研究費の使用計画

次年度に使用する予定の研究費は、申請時当初に予定していた額と同額を予定している。実験試薬等で120万円、実験器具の修理等で間接費36万円を使用する予定である。
また、今年度の未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、次年度の消耗品購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Mesenchymal Stem Cells Regulate Epithelial-to-Mesenchymal Transition and Tumor Progression of Pancreatic Cancer Cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Kabashima-Niibe A, Higuchi H, Takaishi H, Masugi Y, Matsuzaki Y, Mabuchi Y, Funakoshi S, Adachi M, Hamamoto Y, Kawachi S, Aiura K, Kitagawa Y, Sakamono M, Hibi T.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 104(2) ページ: 157-164

    • DOI

      10.1111/cas.

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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