ルミカンの発現量と細胞増殖能には正の相関性があり、細胞浸潤能とは負の相関性があることが報告されている。今回、ルミカンが膵癌細胞の増殖や浸潤に関わる機構について検討するため、ルミカン発現調製細胞を用い、それらの細胞の発現タンパク質の変動を網羅的に解析した。その結果、24種類のタンパク質がルミカンの発現と相関性があることが明らかとなった。この中にはアポトーシスのマーカーとして知られているタンパク質やMMP-9の活性化と関連があるタンパク質が含まれていたことから、ルミカンはアポトーシスやこれらのタンパク質の発現に関わることで細胞増殖や浸潤を制御していると考えられた。
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