急性膵炎発症時の小胞体(ER)ストレスの関与とその軽減による治療効果について検討した。セルレインとリポポリサッカライドを投与してマウス急性膵炎モデルを作製し、セルレイン初回投与から24時間後の血清アミラーゼと炎症性サイトカイン、膵炎組織像、膵臓のERストレス関連蛋白について検討した。対照膵炎群ではGRP78、CHOPが増加した。膵炎誘導後にeIF2α脱リン酸化阻害薬を投与した群では膵炎の軽減、リン酸化eIF2α、ATF4の増加とGRP78、CHOPの減少を認めた。蛋白合成の抑制やATF4を介したERストレス誘導蛋白の増加が膵炎を軽減したと考えられ、膵炎の有効な治療法となりうることが示された。
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