分枝膵管型IPMNの大多数は良性であり,発見時に切除されることは少ない.しかし,進行して膵癌になる症例が認められることが報告されている.しかし,現時点で癌化の危険因子が不明であることから,切除適応のない分枝型IPMNでは漫然と画像診断による経過観察が行われているのが現状である.そこで,病変の増大,進行および癌発生の指標となるようなバイオマーカーが同定できれば大変意義深い.本研究においてはEUS-FNAで得られたIPMN内溶液のプロテオーム解析を行い,癌発生予測が可能となるバイオマーカーを抽出する.その結果,糖鎖分子A, Bがバイオマーカーとなりうる可能性が示唆された.
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