研究課題/領域番号 |
24591028
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
浦岡 俊夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80448216)
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研究分担者 |
矢作 直久 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90292937)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 消化管内視鏡治療 / 早期消化管癌 / 偶発症 |
研究概要 |
本研究は、観血的消化管内視鏡治療における出血などの問題点に対して、自己組織化ペプチド水溶液(PuraMatrix)の安全性・有効性を非臨床およびヒト臨床で検証し、本水溶液の実用を目指すことを目的として開始した。 初年度である平成24年度は、生体ブタを用いた食道の広範な内視鏡切除後に対する本水溶液の安全性、後出血予防および潰瘍治癒促進効果を明らかにする非臨床試験を行った。実験内容は、PuraMatrix群(同材の塗布)、局注群(ステロイド局注)、コントロール群(無処置)の各モデルを作成し、その後の経過を2週間後内視鏡的に観察し、6週間後の再度内視鏡観察を行った後に屠殺し、潰瘍からの出血の状態、潰瘍の治癒過程について、内視鏡的・摘除後の肉眼的・病理組織学的な比較検討を行った。 また、当施設の倫理委員会の承認を受けた後、十分なインフォームド・コンセントが得られた早期消化管癌(食道癌・胃癌)患者を対象として、ヒト臨床試験も開始した。内視鏡的切除後の偶発症予防としてのPuraMatrixの安全性・有用性の実証を行う内容である。有害事象は現在のところ、認めていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生体ブタを用いた非臨床試験では、自己組織化ペプチド水溶液の潰瘍からの出血の状態、潰瘍の治癒過程について、内視鏡的・肉眼的・病理組織学的な比較検討が、予定通りに行えた。 ヒト臨床試験に関しては、当施設の倫理委員会の承認を受け、試験を開始することが出来た。当初予定の人数のエントリーが完了した。試験中、有害事象は認めなかった。 以上から、本研究の目的の達成度は、順調に進展していると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度(平成24年度)においては、非臨床試験および臨床試験が順調に進展したので、次年度も、研究助成交付申請書の通り、臨床での早期消化管癌(食道癌・胃癌)患者に対する内視鏡的治療におけるPuraMatrixの安全性・有用性の実証を行っていく。対象患者を、早期食道および胃癌に大腸癌も加える予定である。エントリーした患者は、中・長期と経過を追っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
内視鏡的治療における自己組織化ペプチド水溶液の安全性・有用性の実証を行うための臨床研究実施を進めるために研究費を使用していく。また、さらなる情報収集のための学会などへの参加は必須である。preliminaryのdataをまとめ、学会および論文発表を行って行くが、その研究経費に使用する予定である。 未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度の消耗品購入に充てる予定である。
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