研究概要 |
1) 本研究について説明・同意がえられた大腸ポリープ患者のうち,内視鏡的に鋸歯状病変を疑い,かつ6mm以上病変から内視鏡下生検により組織サンプル採取を行った.現在,当大学の倫理委員会の承認をえて症例集積ならびに組織サンプル採取を開始している.現在,60症例の組織サンプル採取が終了している. 2) 臨床データ集積であるが,内視鏡所見については,一般的所見に加えて色素内視鏡併用下で腺口形態所見及びNarrow Band Imagingによる微細血管所見も含めてデータ集積を行う.後向きコホート研究において鋸歯状ポリープの特徴的内視鏡所見の解析を行った.特徴的内視鏡所見を拾い上げることができた. 3) 組織サンプル採取の終了した鋸歯状ポリープ45例からDNAを抽出し,cancer-specific methylationマーカー(MINT1, MINT2, MINT31, p16, p14, MLH1, MGMT)とage-related methylationマーカー(ESR1,SFRP1,HPP1,RASSF1),さらにglobal hypomethylationのsurrogate markerであるLINE-1を加えた計11遺伝子/sequenceについてbisulfite-pyrosequencing法による解析を行っている.さらに,KRAS,BRAF,p53の遺伝子変異やmicrosatellite instabilityの解析も加えた.これら臨床病理学的所見及び分子生物学的所見と内視鏡所見との関連について解析していく予定である.
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