研究課題
1)H25年6月より開始した「色素内視鏡併用下で腺口形態所見及びNarrow Band Imagingによる微細血管所見による鋸歯状ポリープ診断に関する第二相試験」多施設共同試験であるが鋸歯状ポリープ150例151病変をもって登録終了となった.現在、病理医2名による病理中央判定を行っている。本研究では、鋸歯状腺腫の診断に有用な内視鏡所見を探索することをプライマリーエンドポイントとして進めている.平成28年度には最終解析結果を報告できる予定である2)内視鏡的に鋸歯状病変を疑い,かつ6mm以上病変から内視鏡下生検により組織サンプル採取を行った114病変86症例について臨床病理学的所見及び分子生物学的所見と内視鏡所見との関連について解析し,右側大腸の鋸歯状病変は左側病変に比べCpG island methylator phenotype (CIMP)陽性大腸癌の前癌病変である可能性が考えられた(Endosc Int Open 2014).この結果から,鋸歯状ポリープのうち右側大腸の鋸歯状腺腫(sessile serrated adenoma/polyp, SSA/P)と過形成性ポリープ(hyperplastic polyp, HP)についてアレイ解析も開始した.これまでの研究結果からHP,特にMicrovesicular HP (MVHP)からSSA/Pへ進展する可能性があり,この進展にかかわる新規遺伝子異常を調査するのが目的である.現在,当大学のゲノムに関する倫理委員会の承認をえて解析を進めている.いくつかの新規候補遺伝子を抽出しており,現在機能解析を行っている.
2: おおむね順調に進展している
現時点での進行状況としてはほぼ予定通りと思われる.色素内視鏡併用下で腺口形態所見及びNarrow Band Imagingによる微細血管所見による鋸歯状ポリープ診断に関する前向き第二相試験において症例集積が予定より少し遅れたが,予定症例数の登録は終了した.鋸歯状ポリープの発癌過程に関与する新規候補遺伝子の機能解析についても進めていきたい.
試験責任医師が全体の取りまとめを行いながら試験データの解析を進めていく.また,遺伝子解析についても効率化を促進する.
「色素内視鏡併用下で腺口形態所見及びNarrow Band Imagingによる微細血管所見による鋸歯状ポリープ診断に関する第二相試験」多施設共同試験及び鋸歯状ポリープに関する新規遺伝子解析研究のデータ解析に予定より時間を要した.より精密な研究成果を得るために次年度に研究費用を繰り越した.
「色素内視鏡併用下で腺口形態所見及びNarrow Band Imagingによる微細血管所見による鋸歯状ポリープ診断に関する第二相試験」多施設共同試験及び鋸歯状ポリープに関する新規遺伝子解析を行っておりそれに関わる費用が必要である.また,解析結果についても学会論文等で公表する費用も必要になる.このため.解析に関する消耗品および結果公表に関する費用をバランスよく配分していきたい.
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