研究概要 |
腹部大動脈瘤モデルマウスには、複数報告がある。我々はscavenger receptor enhancer-promoterを用いてマクロファージ特異的DN-MafBマウスを有している。アポE欠損マウスと交配し、アンジオテンシンII(500-1000 ng/kg/min)を浸透圧ミニポンプで、皮下投与するモデルをまず検討している(Arterioscler Thromb vasc biol 2004;24:429-434)。近年、腹部大動脈瘤の形成にニコチンが関与していることが報告されており、ニコチンによる腹部大動脈瘤モデルも検討する。 DN-MafB単球由来マクロファージおよびMafB恒常的発現抑制細胞を用いた検討では、ニコチン、低酸素、PM2.5粒子投与などを行い、大動脈瘤形成に関係するメディエーター(MMP-3, MMP-9, MMP-12, macrophage inflammatory protein 1α, interleukin-8)の発現について、検討している。マクロファージ特異的DN-MafBマウスの腹腔マクロファージを用いて、cathepsins, MMP産生能について、検討している。 FDG PET/CTを用いた臨床研究は、ステントグラフトを用いた治療が普及しており、対象となる患者の選定に難渋している。倫理委員会の承認を得て、症候性と無症候性でFDG集積に差があるか、血液検査上のMMP-9、MIP-1αとの相関、外科切除標本におけるMMP-9やMafBとの関係を検討する。
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