研究課題/領域番号 |
24591041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
川尻 剛照 金沢大学, 大学病院, 講師 (90345637)
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研究分担者 |
野口 徹 金沢大学, 医学系, 助教 (40456421)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 家族性高コレステロール血症 / PCSK9 / LDL受容体 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
PCSK9は細胞内コレステロールプールの減少によりSREBP2活性化を介し誘導され、LDL受容体の細胞内分解を促進すると考えられている。その機能亢進型変異は家族性高コレステロール血症(FH)の原因となり、機能低下型変異は低βリポ蛋白血症の原因となる。PCSK9を含む多くの遺伝子変異の機能評価はin vitroで行われるが、本研究ではLDL受容体変異による家族性高コレステロール血症にPCSK9遺伝子変異が合併することで、臨床像、特に脂質値の変化を評価することを目的とした。 文書による同意取得の後、FHが疑われる症例の末梢血を用いHRM法、MPLA法にて既知のLDL受容体変異を同定した。一方、LDL受容体変異を認めない症例に対し、genomic DNAを抽出しPCSK9遺伝子全エクソンに対するプライマーを設定し、直接塩基配列法にて遺伝子変異を決定した。これまで、機能亢進型変異と考えられるE32K変異のほかA53V、G263S、I474V、S668R、E670G変異を同定した。LDL受容体変異を有する患者群でPCSK9遺伝子E32K変異を既に4例同定しており、その平均LDLコレステロール値は417.5mg/dLとFHホモ接合体に近い著しい高LDLコレステロール血症を呈していた。また同様に、全例でFHホモ接合体類似の著明な皮膚または腱黄色腫を呈していた。A53V、G263S、I474V、S668R、E670G変異に関して、これまでLDL受容体異常症に見出されていない。今後、対象症例を増やし検討を続ける。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では平成24年度、新たに見出された遺伝子変異の機能解析をin vitroで行う予定であった。研究分担者が一身上の都合で本学を退職したため、当初の予定より計画が遅れた。In vivo解析を行う予定であった大学院生に解析の協力を依頼する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、昨年度明らかにしたPCSK9遺伝子A53V、G263S、I474V、S668R、E670G変異を含み、新たなPCSK9遺伝子多型を検索しLDL受容体変異症の中で検索する。 また、本年施行できなかったゼブラフィッシュを用いたin vivo解析に着手し、PCSK9遺伝子多型の機能を明確とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
ゼブラフィッシュの購入・飼育費として200千円、遺伝子解析消耗品費用として1000千円を見込んでいる。また、研究成果発表のため、日本循環器学会総会(東京)、日本動脈硬化学会総会・学術集会(東京)、アメリカ心臓病学会年次総会(ダラス)旅費に50千円、50千円、300千円を計上している。
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