PCSK9はLDL受容体分解を促進し、その機能亢進型変異は家族性高コレステロール血症(FH)の原因となる。われわれが見出したE32K変異を導入したHepG2細胞は野生型に比しPCSK9を39%過剰に分泌し機能亢進変異と考えられた。LDL受容体変異にPCSK9E32K変異を合併した症例を9例見出したが、そのLDLコレステロール値は195から581mg/dLと広く分布し、重症例は著明な腱黄色腫を合併しホモFH類似の病態を呈していた。FHの臨床像の重症化には何らかの追加の遺伝的因子の存在が示唆された。
|