研究課題
2015年度の研究実績として,自律神経や睡眠時無呼吸症候群と心不全の関連について報告し(Shimazu, Hirashiki et al. J Cardiol. 2015), 腹部大動脈瘤の術後患者における早期退院の規定因子は,術前の運動習慣にあることを報告した。また,拡張型心筋症患者において肺高血圧の有無は,心肺運動負荷試験(CPX)の指標で見出すことができることを示し,中でも%PPeakVO2が最も良い指標であることを報告した(Hirashiki A, et al. Annals of Noninvasive Electrocardiology. 2016)。本研究は,拡張型心筋症に関して,従来の心筋特性の指標であるSwan-Ganzカテーテルによる血行動態指標が,CPXによる運動時の生理学的指標と強い関連があることを示した。2014年に,肺高血圧の合併が心臓死に影響が強いことをコックス比例ハザード解析により示しており,(Hirashiki, et al. Circ J. 2014),間接的には,CPXの指標が心不全の悪化や突然死を含めた心臓死などの心血管イベントに非常に意義が強いことを示し,これらは合致した結果である。心筋生検と遺伝子発現においては,拡張型心筋症において,心筋遺伝子発現CaハンドリングであるSERCA2やミトコンドリア関連蛋白であるCOX5B,NDUFV3,α-KGHDが心筋繊維化を示すLGE(遅延造影)陽性の拡張型心筋症において,陰性のものと比較し,有意に異常値を示した。また,LGE陽性の因子として,重回帰分析を行ったところ,CVF(心筋線維化量)とLVdP/dtmin(左室弛緩能)の指標が規定因子であることを示し,心筋拡張障害ならびに心臓MRIのdelayed enhancementとの関連が強いことを報告した。
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Pulm Circ
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Annals of Noninvasive Electrocardiology
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