QRS波形加算微分解析システムのソフトウェアを開発、使用し、分裂性QRS(fQRS)の意義を、様々な心疾患で検討した。Brugada症候群患者321例ではfQRS、早期再分極、ST自然変動が心室細動の予測因子となることが判明した。心室細動の発症時には、有意なfQRS波形の増悪がみられ、潜在的な心筋障害の進行が心室細動発生に重要であることを報告した。 拡張型心筋症78例の検討では、fQRSの存在は、心不全の有意な予測因子であった。サルコイドーシス患者127例では心室頻拍例ではfQRS陽性率が高率で、心室頻拍発生の予測因子となった。
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