研究課題
1.人工血管置換術の際に取り出した、腹部大動脈瘤の組織を組織はシート状に展開した後、分割。ほぼ正常ゾーン”、”炎症ゾーン”、ならびに”無構造ゾーン”に分類し、各ゾーンにおけるCD44、マクロファージ、リンバ球、マスト細胞を免疫組織学的に検討し、CD44発現細胞を詳細に調べた。炎症ゾーンにはマクロファージ、リンパ球の浸潤が多く認められ、CD44はマクロファージの発現と一致するものも多かったが、血管平滑筋細胞と思われる部位にも認められた。無構造ゾーンでは炎症細胞浸潤も乏しく、これらの部位での組織を用いたヒアルロン酸ザイモグラフィーでは、炎症ゾーンでのヒアルロニダーゼの活性増加を認めていた。これらから、ヒト組織でも、CD44の発現増加らならびに細胞外マトリッククスであるヒアルロン酸の分解が促進している可能性が考えられた。2.表現系を詳細に検討するためCD44/ApoE二重欠損マウスとApoE単独欠損マウスの両群間での大動脈瘤の進展や病変部での浸潤細胞、サイトカイン・マトリックス分解酵素の発現を検討したところ、CD44/ApoE二重欠損マウスはApoE単独欠損マウスに比較して腹部動脈瘤の発生頻度・大きさが小さかった。炎症性サイトカインの発現をリアルタイムPCRで確認したところ、IL-6などの発現はCD44/ApoE二重欠損マウスで有意に低かった。ゼラチンザイモグラフィーでもMMPの活性は低いことが分かった。CD44を介する炎症性遺伝子ネットワークの解明のため、両マウスを用いてマイクロアレイを行い、結果を解析中である。3.現在、高分子ヒアルロン酸を表面にコートしたリポソームを作成し、in vivoモデルでの検討を行っているところである。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)
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