研究課題/領域番号 |
24591054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 一文 岡山大学, 大学病院, 講師 (10335630)
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研究分担者 |
森田 宏 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50322227)
吉田 賢司 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70532761)
伊藤 浩 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90446047)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | KCNH2 / 電流活性化因子 / QT延長症候群 / 心不全 / 心臓突然死 |
研究概要 |
1)心室性不整脈を有する心不全患者血液中のKCNH2(HERG)電流活性化因子を同定するために、血清中KCNH2(HERG)結合タンパクの抽出を行った。 a)pcDNA3.1-V5-His (invtrogen) にpcDNA3-HERG由来のHERGをサブクローニングで組み込み、pcDNA3.1-HERG-V5-Hisを作成。b)pcDNA3.1-HERG-V5-HisをHEK293にtransfectionで導入し、HERG-V5を産生するCHAPSを使用しHERG-V5を可溶化する。V5 tagged protein purification kit (MBL)を使用し、HERG-V5-beads複合体を形成させる。この時点で、beadsをPBSで洗浄しHERG-V5以外のタンパクを除去する。c)前述のHERG-V5-beads複合体に患者由来血清(Sugiyama, Nakamura et al. PLoS One 2011)を加え十分混和する。その後beadsを洗浄することでHERG-V5に結合したタンパク以外を除去する。この時点でV5 tagged protein purification kit (MBL)内のV5タンパクを使用しHERG結合タンパクおよびHERG-V5タンパクを回収する。d)回収したHERG結合タンパクをSDS-PAGEで電気泳動し、銀染色もしくはCBB染色で泳動したタンパクを可視化する。病歴上VT/VFの有無で差が認められるバンドに目的とするHERG結合タンパクが存在することとなる。 2)心室性不整脈を有する心不全患者の血清をラット単離心筋に投与し、活動電位持続時間の変化を調べるため血清収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究環境は概ね整備された状況にあり、研究分担者も実験手技に慣れており平成24年度の実験計画は順調に行うことができ、次年度に繋がる成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
1)KCNH2(HERG)電流活性化因子の分離・同定 a)KCNH2(HERG)結合タンパクの同定:HERG結合タンパクを含むバンドを切り出し、トリプシンで消化ののちMALDI-TOF MS解析を行い(共同実験室の機器使用)、HERG結合タンパクを同定する。b)KCNH2(HERG)結合タンパクによるHERG電流修飾の確認:HEK293細胞に発現させたKCNH2(HERG)電流を増強させるかパッチクランプにて再確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
免疫沈降にてKCNH2(HERG)結合蛋白質を分離・抽出するための器機(循環器内科実験室)、同定するためのMALDI-TOF MSの器機(岡山大学共同実験施設)HEK293細胞にKCNH2を発現させパッチクランプにて電流を確認するシステム(循環器内科実験室)、光マッピング (岡山大学共同実験施設)・動物用心電図モニター(循環器内科動物実験室)はそろっており、機器に不足はないので、次年度も実験消耗品および研究打ち合わせのための旅費の使用予定である。
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