研究課題/領域番号 |
24591054
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 一文 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10335630)
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研究分担者 |
森田 宏 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50322227)
吉田 賢司 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70532761)
伊藤 浩 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90446047)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 心室性不整脈 / HERG電流 / 心不全 / イオンチャネル / QT延長症候群 / QT短縮症候群 / HEK293細胞 / 自己免疫 |
研究実績の概要 |
心室性不整脈発生には、心筋の不応期のばらつきなど電気的不安定性(electrical instability)が関与する。それには種々のイオンチャネルのリモデリングが影響するが、中でも遅延整流カリウム電流の速い成分(IKr)を構成するKCNH2 (HERG) チャネルは、先天性QT延長症候群・先天性QT短縮症候群ならびに薬剤などによる後天性QT延長症候群の原因チャネルであり最も感受性の強い標的分子の一つである。近年我々は、循環血液中の抗KCNH2 (HERG) チャネル抗体がその電流を減弱させる自己免疫性QT延長症候群の存在を発見し報告した (Nakamura and Katayama et al. J Am Coll Cardiol. 2007)。続いて心不全患者においても、循環血液中にKCNH2 (HERG) チャネル修飾因子がないか検索したところ、興味深いことに、心室性不整脈を有する心不全患者の血清はHEK293細胞に発現させたKCNH2(HERG)電流を逆に増強させた(Sugiyama & Nakamura et al. PLoS One. 2011)。すなわちKCNH2(HERG)電流活性化因子を循環血液中に認めた。心室性不整脈のない心不全患者では認めないことから、この因子が電気的不安定性を誘導し、不整脈発生に関与する可能性が考えられる(中村一文 呼吸と循環 2012)。心不全に伴う心室頻拍患者の治療にはアミオダロンが用いられるが、アミオダロンはKCNH2(HERG)電流を抑制することからも、この因子の作用が考えられる。 心室性不整脈を有する心不全患者血液中のKCNH2(HERG)電流活性化因子を同定を目的として、血清中KCNH2(HERG)結合タンパクの抽出を試みた。現在のところ血清中KCNH2(HERG)に結合するIgGすなわち、抗体をみつけている。
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