研究課題/領域番号 |
24591059
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西坂 麻里 (小西 麻里) 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (00448424)
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研究分担者 |
安藤 眞一 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (90575284)
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キーワード | 睡眠時無呼吸 / 血管内皮機能 / 高血圧 / 心不全 / 不整脈 / 水分貯留 / 治療学 |
研究概要 |
1.プロトコールの確立:前年度済:治療介入期間12週間、1回3分×1日3回以上を標準プロトコールと設定。また、CPAPなど必要な標準治療を妨げることのないよう、対象患者を比較的軽症者(PSGにて30≧AHI>5)とした。 2.患者での研究実施:2014年4月10日時点で、計14名の同意を得て介入開始、5名が脱落及び中止(脱落2名、副作用にて中止勧告1名、転居にて1名追跡不能、1名認知症増悪入院にて自己判断での継続不能と判断:脱落率36%), 1名が、歯科治療のため一時中断、8名が12週間の治療プロトコール完了にて介入後評価まで終了した。有害事象の報告は上述の1名にて口内炎の増悪、脱落例はいずれも1日3回以上のトレーニング維持困難が脱落理由であった。 3.短期効果判定:評価・検討項目:a)解剖学的要素: MRIでの気道周囲組織の水分含有量評価 b)SAS改善効果: PSG検査でのAHIや酸素化、睡眠構築の評価 c)QOL、心血管予後規定因子: 血管内皮機能、エコーでの心機能、Quality of life (QOL)、Brain Natriuretic Peptideなどの評価を行っている。 現在、途中段階としての集計、解析を行っている。以上、交付申請書に記載した「研究の目的」を果たすべく「研究実施計画」に挙げた初年から2年度目の年度計画を概ね達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第2年度を終えた現時点で、先述の如く14名の患者でトレーニングを開始したものの、脱落症例も認めている。現状での脱落率は前年度報告(29%)より増加したものの、依然CPAPやOA(50-75%と報告)に比し、継続しやすい治療である可能性を示唆するものである。 効果については現在途中段階での解析結果であるが、PSG解析まで完了した8名では現時点ではFull PSGでのAHI 23.9vs23.1/hr・最低SpO2 95vs95%と、集団としては有意な改善を確認出来ていない。しかし心血管予後のサロゲイトマーカーである血管内皮機能検査ではFMD4.1vs5.4%と改善、心エコーでの左室収縮分画(LVEF)も67vs.72%と改善を確認している。採血にても脳性ナトリウム15.3→13.3㎎/dLと改善傾向を確認している。 予定登録数は40名と設定しており、登録開始16か月で14名と現状のペースであれば、研究期間内に達成困難と判断される。当センター初診患者は重症例(AHI>30)が多いことが一員と考えられ、現在、関連施設への協力依頼を検討している。 以上、3年間の研究期間と現状での達成状況、結果からは、概ね計画よりも遅延した進捗であると反省しており、被検者募集に対する工夫を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の第2年度を終了し、口輪筋トレーニングプロトコールの確立の上、OSA患者の登録、実施を開始、介入追跡及びその効果検討を行っている。 今後は予定通り、予定登録数40名を達成すべく患者登録の継続、短期効果の判定を行ってゆく。また、12週間の治療期間終了後も経過追跡を行い、トレーニング継続状況と効果の持続など、長期効果の判定を行ってゆく。並行して、統計学的解析再度行う。 また、先ずは国内近隣施設での研究拡大を計画している。本年度中に他施設での倫理委員会承認など準備を整え、患者登録の開始を目標としたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
学会発表等にかかる費用を検討していたが、研究の進捗がやや遅れているため、成果の発表を積極的に行うことができず、予算を繰り越すこととなった。 1.設備・備品、消耗品:歯科用口唇筋力固定装置M-パタカラの補充(当施設及び他施設配布分)、測定・評価用薬品の補充、エコー消耗品の補充、データ記録・解析用媒の補充、海外研究協力へのPC設置、資料整理保存ファイルの補充。 2.旅費・通信費:情報収集のための文献収集、学会参加(国内および海外旅費)、成果発表のための学会参加(国内および海外旅費)、論文準備、通信費の使用を予定している(前年度の繰り越しをあわせての使用を考えている)。
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