研究課題/領域番号 |
24591063
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山川 研 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00363664)
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研究分担者 |
益崎 裕章 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00291899)
島袋 充生 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60271144)
比嘉 盛丈 琉球大学, 医学部, 非常勤講師 (70347152)
屋比久 浩市 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (70545748)
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キーワード | 血管内皮機能 / 動脈硬化 / 肥満 / メタボリックシンドローム / 糖尿病 / キサンチンオキシダーゼ / 玄米 |
研究概要 |
1.玄米食がヒトにおいても肥満および糖代謝を是正し、血管内皮機能も改善することを報告した。玄米食が肥満、メタボリックシンドロームにおける有用な治療上の選択肢であることを提示した。(Br J Nutr. 2014 111:310-20, 2014. Epub 2013 Aug 12.) 2.中年日本人のメタボリックシンドロームにおいて、内臓脂肪の蓄積度と骨格筋、肝臓のCT値が関連することを報告した。(Intern Med. 52:1561-71, 2013.) 3.玄米の高脂肪食忌避効果に機序について玄米の主成分の一つであるγ-オリザノール(Orz)が玄米と同様に視床下部の小胞体ストレスを軽減し、食行動に影響をおよぼすことを発見した。(第56回日本糖尿病学会年次学術集会・2013/5/16-18、熊本市) 4.肥満モデル動物において、キサンチンオキシダーゼ阻害薬が尿酸排泄促進薬と比較して有意に血管内皮機能を改善し、酸化ストレスの指標を改善することを報告した。メタボリックシンドロームにおける心血管疾患の予防のために、キサンチンオキシダーゼ活性が治療のターゲットになり得る可能性を指摘し報告した。(第56回日本糖尿病学会年次学術集会・2013/5/16-18、熊本市) 5.玄米の主成分の一つであるγ-オリザノール(Orz)が糖代謝を改善するメカニズムを検討した。Orzが膵β細胞に直接作用してグルコース応答性インスリン分泌(GSIS)を増強することを見出した。Orzは中枢と末梢の2つの作用点から肥満症・糖尿病予防効果を発揮することが初めて明らかになった。(第34回日本肥満学会・2013/10/11-12 東京国際フォーラム) 6.カルシウム拮抗薬およびアンギオテンシン受容体拮抗薬であるアジルサルタンが糖尿病モデル動物およびヒトのメタボリックシンドロームモデルにおいて血管内皮機能障害を改善すること、およびその機序について報告した。(Clin Sci. 125:247-55, 2013., Cardiovasc Diabetol. 13:30, 2014.)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肥満やメタボリックシンドロームにおける血管内皮機能障害や動脈硬化の進展阻止のために、キサンチンオキシダーゼが治療対象となり得る可能性について報告することができた。また、玄米の抗肥満作用および血管内皮機能改善改善作用を報告するとともに、玄米含有の機能成分であるγ-オリザノールの作用機序についても明らかにし、今後臨床応用の可能性について指摘することができた。
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今後の研究の推進方策 |
肥満やメタボリックシンドロームにおける血管内皮機能障害について、ヒトでのキサンチンオキシダーゼ活性と血管内皮機能の関連について検討を行う。また、γ-オリザノールの抗肥満作用および糖代謝改善作用を用いて臨床的な応用の可能性について検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
繰越金14,170円 バイオメディカルフリーザ購入にあたって、当初見込んでいた金額より安く購入できたため。 研究用試薬等消耗品に使用する。
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