研究課題
近年、慢性心不全に対する治療は、薬物療法の確立に加え、運動療法、呼吸管理療法などの心臓リハビリテーションが導入され、予後を大きく改善させつつある。一方、骨格筋などの筋肉線維から生成、発現し、放出されるサイトカインやその他のペプタイドで分泌効果を発揮するものは、マイオカインと呼ばれている。しかしながら、心臓リハビリテーション療法の予後改善のメカニズムや、これらのマイオカインおよび心血管機能への影響については明らかにはなっていない。本研究では、慢性心不全の心臓リハビリテーション療法の影響を血中マイオカインより検討し、その予後改善予測因子としての役割を解明することである。対象は、うっ血性心不全にて入院し薬物療法にて安定後に慢性心不全の状態となり、心臓リハビリテーション療法を施行予定の症例。運動耐容能テストにより、各患者において適切な運動処方を行い、運動療法を施行する。血液検査を含めた各種検査は、薬物治療により心不全が安定して運動療法または呼吸管理療法を施行する前、退院時、3か月後、6か月後、1年後とする。ELISA法により、既知のマイオカインであるIL-6、BDNF、LIF、Irisinを測定した。結果として追跡中にBDNF、Irisinの血中濃度が高い群では、MACE(major adverse cardiac event)の発生が優位に少なかった。特に運動療法でマイオカイン気中濃度の上昇率が高い群において、MACEの発生は少なかった。マイオカインの血中濃度の高い群においては、心血管イベント発生が低く、マイオカインは何らかの心血管保護効果を有していると考えられる。さらに適切な運動療法の判定にもマイオカインの血中濃度の変化を用いることは有効であると考えられる。
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