研究課題
基盤研究(C)
1)炎症性疾患のひとつであります急性冠症候群患者のPTX3値とSOFAスコアの関連を検討し昨夏の欧州心臓病学会で報告してまいりました。エンドポイントを1)死亡、2)大動脈バルーンパンピング補助を必要とするショック、3)人工呼吸器を必要とする心不全とし入院時のPTX3値を含む5種類のバイオマーカーを比較したところPTX3値がオッズ比3.6 (95% 信頼区間 2.2–5.8, P2)全身炎症反応性症候群(SIRS)症例での血漿PTX3値の経時的推移の検討を目的とします。特に現行治療において血漿PTX3値の変化と予後が実際どの程度の強さをもって相関するかどうかを検討しております。多臓器障害スコアであるSOFA score、急性腎障害合併率、ショック離脱率、血中乳酸値を測定します。患者エントリー基準としては心肺停止患者、敗血症ショック (SOFA score 5点以上;算定はICU入室時とします)とし現在症例登録中です。来年度いっぱい継続したうえで、炎症性サイトカイン(IL-1β、Il-6、TNF-α)も測定し、これらを変数とし、血漿PTX3値が多変量解析など統計学的検討の結果上記パラメーターやバイオマーカーとどのような位置づけにあるかを明らかにします。
2: おおむね順調に進展している
1)国際学会で研究経過を発表報告をいたしました。2)全身炎症反応性症候群症症例を順次エントリーできております。
次年度も引き続きSIRS症例の検体収集を行います。動物実験の実験系の確立にはいりたいと思います。全身麻酔下にラットの大腿静脈、頸静脈にルートを確保してポンプを用いて体外循環させ、PTX3固着カラム使用群とコントロール群とでアレルギー反応や血圧低下などの副作用がないかを評価します。1) 動物実験でのPTX3固着カラムによるヒストン吸着療法の効果判定ラットの開腹盲腸結紮穿孔腹膜炎モデルを作成し以下3群の予後比較を検討します。①未治療群、②PTX3を固着させないカラムを用いて体外循環を施行する群、③PTX3固着カラムによるヒストン吸着療法を施行する群。3群の生存曲線をえがき治療効果を判定します。その他の評価項目として、持続動脈ラインによる血圧、脈拍、DAMPsの一つであるHMGB1、炎症性サイトカインであるIL-6、TNF-αなどを測定します。なお、炎症モデルとして、LPS腹腔内注射モデルも同時に作成し、差異などを検討します。
ラット;60万円餌;5万円雑費 10万円
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