研究課題
(1)最終年度に実施した研究の成果本プロトコールは、厚生労働省ヒト細胞臨床研究に関する審査委員会で平成25年4月25日了承され、平成25年11月25日に厚生労働大臣の承認を受けた。シミュレーションを施行し、患者登録を開始している(UMIN ID: UMIN000013820)1)対象:閉塞性動脈硬化症のFontaine II以上の患者で、薬物治療にも反応せずカテーテル治療やバイパス手術が不可能な患者10例。2)方法:①自己細胞の採取:自己骨髄20mlを局所麻酔下に患者の腸骨より採取する。②細胞培養;分担研究施設である国立成育医療センター研究所へ搬送する。間葉系細胞は自己の骨髄液とウシ血清を用いて培養する。③細胞移植:細胞は昭和大学藤が丘病院に搬送し、患者下腿に合計約1×107の細胞を移植する。④安全性、有効性の評価:移植7日、1、3、6ヶ月に評価を行う。有効性は自覚症状の評価、生命予後、下肢温存率、皮膚還流圧等により評価を行う。3)結果:2014.6.13に1例目を施行した。下肢動脈バイパス術を3回施行するも閉塞し、血管内治療も不可能で安静時疼痛を有する症例であった。合計3.3×107の細胞を両下腿に移植した。左足背皮膚還流圧は術前の20から術後30mmHgまで上昇し、最大歩行距離も125mから210mまで上昇した。2例目は2015.3.6に施行した。何度も両足の血管内治療を施行するも再狭窄、再閉塞を繰り返し、足部の潰瘍が悪化している症例であった。予定通りの手順で合計2.5×107の細胞を両下腿に移植した。術後有害事象は認めず現在リハビリテーションを施行中である。(2)研究期間全体を通じて実施した研究の成果本研究の基礎部分に関しては、エリスロポエチンの骨格筋における局所間葉系前駆細胞の刺激作用を証明した。また、臨床部分に関しては上記に記載したように臨床研究をすでに開始している。
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The Showa University Journal of Medical Sciences
巻: 26 ページ: 121,129