研究課題
最終年度である平成26年度では、実臨床で心疾患(主に心筋梗塞、心筋症)を有する約100例の患者において、心電学的指標の有用性を検討した。ホルター心電計で3つの心電学的指標、すなわち心室遅延電位(late potentials:LP)、T波オルタナンス(T-wave alternans:TWA)、心拍タービュランス(heart rate turbulence:HRT)を測定したが、全例で計測することが可能であり、かつ我々が所有している解析システムを用いて問題なく行うことができた。その結果、過去に心室性不整脈イベント(定義:心室細動と持続性心室頻拍)をきたした患者では、心室LP、TWA、HRTが陽性と判定されることが多く、各々の指標が心室性不整脈イベントに対しての独立した危険因子であることが判明した。さらに、心室LPとTWAの組み合わせ、すなわち脱分極異常と再分極異常の組み合わせが、危険な患者を選出することに最も有用であることが判明した。HRT(自律神経活動異常)については、個々の患者ごとに吟味する必要があることも明らかとなった。以上の結果から、電気生理学的異常を反映する指標の統合的かつ多階層的活用の有用性が明らかとなり、実臨床で応用することの道が開けた。
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