研究課題/領域番号 |
24591079
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
大倉 宏之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30425136)
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研究分担者 |
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
根石 陽二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80319946)
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キーワード | 虚血性心疾患 |
研究概要 |
本研究の対象は、虚血性心疾患(急性心筋梗塞、安定狭心症、不安定狭心症)症例100例である。除外基準としては、心筋梗塞の既往、異型狭心症、慢性完全閉塞病変の存在、経皮的冠インターベンションや冠動脈バイパス術の既往例、心原性ショックもしくは血行動態が不安定な症例、消化管出血の存在、冠インターベンションや冠動脈バイパス術が不適当な症例、高度の腎不全、余命6ヶ月以内の症例である。この、登録基準に合致して、登録しおえた症例は149例であった。これらの症例に対して、抗血小板剤2剤(アスピリン100mgとクロピドグレル75mg、緊急例ではlodading doseとしてクロピドグレル300mgを前投与)を内服開始したのちに、心臓カテーテル検査ならびに経皮的ステント留置術を施行した。カテーテル施行に際して、光干渉断層法(OCT)により冠動脈内に血栓が存在するかどうかを確認した。OCTはSJM社製のDragonflyを用いて行った。また、カテーテル施行後に血小板機能を測定した。血小板機能は全血血小板凝集能測定装置(VerifyNow)(Accumetrics社製)を用いて行った。抗血小板剤2剤はガイドラインに従って最低12ヶ月間継続することとした。 これら登録例のうち、74例154病変においてはすでに9か月後のフォローアップ心臓カテーテル検査を施行し、その際に、血小板凝集能の再検と光干渉断層法(OCT)によるステント内血栓の有無を確認した。VerifyNowによりP2Y12 reaction unit (PRU)が230以上であったものをクロピドグレル耐性と定義したところ、24例(32%)がクロピドグレル耐性であった。OCTによるステント内血栓の頻度はクロピドグレル耐性例で有意に多かった(18% vs. 4%, P<0.01)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
対象となる症例数が想定していたよりも多かったため、計画以上に症例数の登録が進んだものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は登録症例のフォローアップを確実に行い、9ヶ月後のOCT検査と血小板機能の評価を確実に行いたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
症例登録は想定以上に進んだものの、当初予定よりも初期の症例登録が少なかったため、フォローアップ心臓カテーテル検査を施行した症例がいまだ予定症例数(100例)に達していないため、その分を次年度に持ち越すこととなったため。 血小板機能計測ならびにOCTによる画像診断を施行する目的で研究費を活用する予定である。平成25年度助成金の残額と平成26年度の請求額を合わせてOCTカテーテルと血小板凝集能測定キットの購入費用にあてる。また、成果報告における学会等への旅費にも充てる予定である。
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