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2014 年度 実績報告書

血管内皮前駆細胞の投与組織環境改善で治療効果の増強を図る次世代型血管新生療法

研究課題

研究課題/領域番号 24591080
研究機関久留米大学

研究代表者

佐々木 健一郎  久留米大学, 循環器病研究所, 講師 (70320190)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード虚血組織 / 酸化ストレス / 骨格筋細胞 / ミトコンドリア / 血管新生 / プロピオン酸塩
研究実績の概要

前年度に続き、ヒト、ラット、マウス下肢組織中のアシルカルニチン濃度測定、ミトコンドリア機能評価、血管新生作動タンパク質濃度測定実験を行った。ヒト組織については、前年度より多数の対象患者6名で実施した。
アシルカルニチン濃度は、前年度同様、ヒトおよびラット組織共に検出値の大幅なバラつきと測定不良を認めた。そこで本年度は、虚血組織侵襲度評価の代用手段として、酸化ストレス暴露状態を同組織のdihydroethidium染色定量評価にて行ったところ、虚血組織で高度かつ有意な暴露状態を認めた。
骨格筋細胞ミトコンドリア機能評価のウエスタンブロット実験では、マウス虚血組織でcytochrome Cの発現低下が確認され、虚血下肢骨格筋細胞のミトコンドリア機能障害が示唆された。その結果を反映するかのように血管新生作動関連タンパク質IL-1β、IL-6の発現も低下していたが、VEGFやSDF-1は発現が上昇していた。虚血組織救済に欠かせない、ミトコンドリア機能非依存性の、別の分泌経路の存在が示唆された。ヒト組織では以上の結果が低検出であったため、正確な解析が困難であった。
低酸素環境下骨格筋細胞のミトコンドリア機能を薬用科学的に回復させる可能性を持つ化合物「プロピオン酸塩」を虚血下肢組織へ直接噴霧投与することで、その回復が実際に可能か否か、その結果として血管新生効果が高まるか否かについて、マウス下肢虚血モデルで検証した。ヒト通常投与量で評価したが、虚血下肢のドプラー血流測定値に有意な上昇は認められなかった。一方、薬剤投与組織中のIL-6発現とVEGF発現に上昇傾向を認めたことから、別の投与法・投与濃度によってIL-6およびVEGFの発現をさらに高めることで、血管新生効果を増強させることができる新たな可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Correction: FOXO4-Knockdown Suppresses Oxidative Stress-Induced Apoptosis of Early Pro-Angiogenic Cells and Augments Their Neovascularization Capacities in Ischemic Limbs.2015

    • 著者名/発表者名
      Nakayoshi T, Sasaki K, Kajimoto H, Koiwaya H, Ohtsuka M, Ueno T, Chibana H, Itaya N, Sasaki M, Yokoyama S, Fukumoto Y, Imaizumi T.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 10 ページ: -

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0127245.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-06-01  

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