我々はこれまでにリンパ管新生因子VEGF-Cが脂質異常、動脈硬化と密接に関連することを報告してきた。ヒト頚動脈プラークにおける血管新生・リンパ管新生を検討したところ、リンパ管はほとんど認められなかった。しかし動脈硬化の動物モデルに合成VEGF-C蛋白を投与しても明らかな変化を認めなかった。ヒト頚動脈プラークのマクロファージ形質指標とVEGF-Cレベルは相関しなかった。閉塞性動脈硬化症患者、薬剤溶出性ステント留置患者において血清VEGF-Cレベルが低い方が心血管イベントを発症しやすいことが明らかとなった。未だメカニズムは不明ながら、VEGF-Cが新たな心血管リスク指標になる可能性が示唆された。
|