研究課題/領域番号 |
24591084
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
古賀 政利 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (30512230)
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研究分担者 |
豊田 一則 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 部門長 (50275450)
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キーワード | 3次元軽食堂心臓超音波検査 / 大動脈硬化進行度 / 発作性心房細動 |
研究概要 |
実績1. 平成26年3月までに急性期脳梗塞もしくは一過性脳虚血発作159例(女性48例、73±11歳)の3次元経食道心臓超音波(3D TEE)検査を行いデータベースに登録した。 実績2.平成24年度に実施した大動脈弓部の病理所見と3D TEE検査所見の比較を行い、3D TEE検査所見においても米国心臓協会(AHA)の動脈硬化進行度病理分類が有用であることが判明したため、平成25年度はデータベースに登録した脳梗塞連続120例の大動脈弓部動脈硬化進行度をAHAの病理分類に準じて、軽度群(3D画像で異常なし,2D画像でIMT肥厚あり),中等度群(3D画像で表面平滑な隆起,2D画像で石灰化なし),石灰化群(3D画像で表面平滑な隆起,2D画像で石灰化あり),高度群(3D画像で表面不整で著明な凹凸)の4群に分類し,背景因子と病型分類を比較検討した.大動脈弓部動脈硬化が進行しているほど高齢であり,脂質異常症合併が多く,原因不明の脳梗塞が多かった.順序ロジスティック解析では高齢,男性,脂質異常症,原因不明の脳梗塞(OR 1.94,95%CI 1.30-2.95;p=0.002)が大動脈弓部動脈硬化進行度に独立して関連していた.高血圧症,糖尿病,飲酒,喫煙はいずれも関連していなかった.この研究より、原因不明の脳梗塞は急性期脳梗塞患者における大動脈弓部動脈硬化進行度の独立した関連因子であり、進行した大動脈弓部動脈硬化病変が脳梗塞の一因となっている可能性が示唆された。 実績3. 平成24年度より行ってきた急性期脳梗塞もしくは一過性脳虚血発作患者における左心耳体積測定と心房細動の関連についての研究をまとめ和文原著1つ、英文原著1つにまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度までに100例以上の症例を登録しており登録症例数は目標に達している(達成度100%)。また、大動脈弓部の病理評価と3D TEE検査所見の比較を行い、AHAの動脈硬化進行度病理分類が有用であることを示し、3D TEEにおけるこの分類が大動脈原性を診断する一助となりえることをH25年6月14~15日に徳島市で開催された第32回日本脳神経超音波学会総会で報告した(達成度90%)。左心耳体積と心房細動に関する研究では、急性期虚血性脳血管障害における左心耳拡大と持続性ないし発作性心房細動が関連していることをまとめ脳卒中に採択された。また、検査時に洞調律である患者で検討を行い左心耳体積測定により発作性心房細動を予測しうることをまとめInternational Journal of Strokeに採択された(達成度90%)。総合的な達成度を90%と自己評価する。
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今後の研究の推進方策 |
大動脈弓部病変の病理所見と3D TEE検査所見の比較に関する研究を、平成26年10月22~25日にトルコのイスタンブールで開催される9th World Stroke Congressに演題登録した。また、大動脈弓部病変の評価に関する研究成果の論文化をすすめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度に国際学会での発表を予定していたが、World Stroke Congressが2年に1度の開催でありH26年度が開催年度になったため、H26年度に変更した。 コンピューターソフトウェア購入40万円、国内学会旅費30万円、国際学会旅費80万円、人件費・謝金60万円、その他40万円。 残額について、次年度使用計画にあてる。
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