研究実績の概要 |
本研究は、カラーMモード法を用いて非侵襲的に心室内圧較差(IVPD)を測定する方法と、運動負荷心エコー法とを用いて、拡張期心不全の早期の血行動態を解析し、拡張期心不全の早期診断と治療に資することを目的としている。平成24年度は以下の成果をあげた。 1)運動負荷エコーデータの収集と解析 2015年5月までに118例の運動負荷心エコーを実施した。現在の運動時のカラーMモードエコー図を解析中である。 2)IVPDとその他の指標との関連の探索 心不全精査、抗腫瘍薬投与後精査で心エコーを行った15例について、IVPDと、2Dスペックルトラッキング法を用いて、組織ドプラ指標(global longitudinal strain, global longitudinal strain rate, strain rate during isovolumic relaxation, early diastolic strain rate)、左室ねじれ運動の指標(peak twisting rate, peak untwisting rate)を計測し、比較した。その結果、IVPDはpeak untwisting rateと正の相関を認めたが、左室駆出率やtwisting rate、他の組織ドプラ指標とは相関しなかった。以上の結果は、IVPDの規定因子を理解する上で有意義な結果と考えられた。以上の結果を、2013年4月の日本心エコー図学会、2013年6月のアメリカ心エコー図学会、2013年9月心臓病学会、2013年11月の心不全学会で発表した。これまで収集した118例の画像解析を行い、以上の内容を発展させ投稿準備中である。
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