研究課題/領域番号 |
24591089
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
長内 智宏 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00169278)
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研究分担者 |
奥村 謙 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20185549)
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キーワード | coupling factor 6 / intracellular acidosis / ATPase IF1 / mitochondria / prostacyclin / diabetes / hypertension / cardiac hypertrophy |
研究概要 |
Mature and immature human ATPase inhibitory factor 1 plasmidの作製と細胞外分泌の確認:HEK293細胞にOpti-MEMI Reduced- Serum MediumとTransIT-293 Reagentを用いて各々のplasmidをtransfectionし、24並びに48時間後にanti-ATPase inhibitory factor 1 antibody (ab110277)を用いてcell lysate中にmature IF1 (12kD) の発現亢進をWestern blot法で確認した。更に、培養上清を回収し、Sepakで部分精製後凍結乾燥し、Western blot法でmature IF1の存在を確認した。 IF1過剰発現のCF6作用に及ぼす影響:HEK293細胞にIF1-cDNA (Open Biosystems, Invitrogen MHS1010-73732)をtransfectionしIF1を過剰発現し、CF6 10-7M投与後24または48時間で細胞内並びに細胞外(培養上清中)ATP量をchemiluminecenceを用いて測定した。CF6は細胞外ATP含量を減少、細胞内ATP含量を増加させた。一方、IF1の過剰発現細胞ではCF6による細胞外ATP含量の減少は軽減された。2年目はCF6の種々の作用に対するIF1の拮抗作用を確認する時期であり、初年度で作製されたimmature human full-length IF1 plasmid 並びに今年度作製したmature human IF1 plasmidを用いてCF6の作用に対する影響について検討を始めた。まずmature human IF1 plasmidの過剰発現実験から、IF1はCF6の作用に拮抗する可能がpreliminaryではあるが示された。更に重要な点は、このペプチドは細胞内ATP 産生に悪影響を与えないことが確認されたことである。従って、CF6の細胞外作用を阻害する内因性ペプチドである可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度に予定された研究を遂行することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はさらにIF1の拮抗作用の詳細を解明するために、現在の検討を継続し拮抗作用を確認することと、新規に以下の検討を開始する予定である。継続実験:IF1の細胞内情報伝達機構並びにATP産生に及ぼす影響HEK293細胞にimmature並びにmature IF1-plasmid (Open Biosystems, Invitrogen MHS1010-73732) を過剰発現させるか、またはIF1ペプチドを培養液に添加投与することにより、IF1ペプチドのCF6細胞内情報伝達機構に及ぼす影響と特に細胞内ATP産生に及ぼす影響を明らかにする。 追加実験:CF6の細胞内並びに細胞外ATP産生または消費は、細胞内酸性化を介して生じる。IF1添加並びに過剰発現がATP 産生または消費に及ぼす影響がCF6による細胞内酸性化に対する拮抗作用か、または別の作用かを明らかにする目的で、細胞内pHのindicator であるBCECFをHEK293細胞内にloadし、細胞内pHの変動を蛍光装置を用いて測定する。
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