研究課題
低酸素誘導性小胞体酸化還元酵素Ero1(endoplasmic reticulum oxidoreductin 1)遺伝子欠失マウス(Ero1 KOマウス)の作製に成功した。同マウスの繁殖ならびに病態モデルの作製を継続しつつ、Ero1の役割解明を開始した。A. 腹部大動脈瘤におけるEro1の役割解明研究者らは、ApoE-/- KOマウスにアンジオテンシンIIを持続投与することにより腹部大動脈瘤モデルの作製に成功している。免疫組織学的検討の結果、腹部大動脈瘤形成部位において、Ero1発現が増大していることが明らかになった。ApoE-/- KOマウスとEro1-/- KOマウスの交配により、ダブルKOマウスのヘテロが誕生し、現在、それらを交配中である。H26年度前半には、ダブルKOマウスを用いて、アンジオテンシンII持続投与による腹部大動脈瘤モデルを作製し、動脈硬化や腹部大動脈瘤形成過程におけるEro1の役割を評価する。さらに、Ero1阻害剤QM295を用いて、同様の検討を行う。B. 高血圧誘導性心血管障害におけるEro1の役割解明アンジオテンシンII 持続投与により全身血圧が上昇すると同時に、心臓では著明な線維化や炎症が生じる。Ero1-/- KOマウスにアンジオテンシンII を持続投与し、心臓での線維化や炎症サイトカイン産生を検討中である。アンジオテンシンIIによる心血管リモデリングにおけるEro1の役割を明らかにする。さらに、Ero1阻害剤QM295を用いて、同様の検討を行う。
2: おおむね順調に進展している
ApoE-/- KOマウスとEro1-/- KOマウスの交配により、ダブルKOマウスのヘテロが誕生し、病態マウスの作製が順調に進んでいる。同時に、アンジオテンシンIIによる炎症性変化におけるEro1の役割検討が進んでいる。
ApoE-/- KOマウスとEro1-/- KOマウスの交配により得られるダブルKOマウスを用いて、腹部大動脈瘤形成におけるEro1の役割解明を進める。同時に、高血圧性心臓リモデリングにおけるEro1の役割解明を進める。
遺伝子改変マウスの組織学的解析を実施しなかったため。平成26年度には、組織学的解析を実施する。
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