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2014 年度 実施状況報告書

ヒトES/iPS細胞由来心筋細胞の腫瘍化克服のための革新的な高純度単離技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24591099
研究機関鹿児島大学

研究代表者

三井 薫  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (40324975)

研究分担者 小戝 健一郎  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90258418)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード再生医学 / ヒトES細胞 / ヒトiPS細胞 / アデノウイルスベクター / 心筋細胞
研究実績の概要

ヒトES/iPS細胞による再生医療実現化において、克服すべき最重要課題は「腫瘍化を完全に克服する技術の開発」である、私達は"腫瘍化原因細胞である分化誘導中の目的細胞内に残存する未分化細胞の除去"と"目的分化細胞の純単離"という2つのアプローチから、課題解決に向けて研究を進めている。

1)腫瘍化原因細胞の除去法:未分化細胞特異的プロモーターを用いた、未分化可視化/殺傷ウイルスベクターの開発を行った。可視化のための蛍光タンパク質に、薬剤感受性自殺遺伝子を組み合わせ、より効果的な除去方法についての検討を行った。プロモーターの種類によっては蛍光強度が低いものもあったが、薬剤投与による自殺遺伝子の働きはきちんと確認ができ、腫瘍化原因細胞の除去に効果があることを示すことができた。
2)目的分化細胞(心筋系統細胞)の同定単離技術の確立と機能検証
a)ES/iPS細胞から心筋細胞への分化誘導系の確立:低分子化合物を組み合わせることにより、これまでに比べてより高効率での心筋分化誘導に成功した。
b)ACT-SC法による心筋細胞単離:[組織特異的プロモーター+Cre遺伝子]と[レポーターベクター]の二種類のウイルスベクターを組み合わせ、分化心筋細胞の分取を行った。分化方法の改良と分取の際の細胞分散法の改良により、心筋分化細胞をこれまでより多く回収することできるようになった。得られた細胞を用いて、遺伝子解析を行った結果、心筋分化誘導に伴い、興味深い遺伝子発現変化が見られ、現在この遺伝子発現と細胞分化のとの関係性について検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1)腫瘍化原因細胞の除去法:研究の目的である"腫瘍化阻止"をより発展させるために構築したベクターを用いて、未分化細胞をFACSを用いて区別出来ることに加え、薬剤により未分化細胞のみを殺傷し、分化細胞は殺傷されないことを確認できたことから、順調に進展している。
2)目的分化細胞(心筋系統細胞)の同定単離技術:
a)ES/iPS細胞からの心筋分化誘導では、昨年度に引き続き分化効率の向上を検討し、これまでより高効率での分化誘導系の確立に成功したことから、順調に進展している。
b)ACT-SC法による心筋細胞単離:経時的な分化段階での心筋分化細胞の分取を行い、遺伝子発現解析を進め、興味深い遺伝子発現変化を得たことから、おおむね順調に進展しているものと考える。
以上のことから、全体的におおむね順調に進展しているものと考える。

今後の研究の推進方策

これまでに解析した結果から得られた、分化と遺伝子発現との関係性についてさらに検討を行い、多能性幹細胞および体細胞からの心筋分化誘導について、より効率の良い分化/誘導方法を検証する。また分化誘導した心筋細胞の分取の際、新たに検討中の心筋プロモーターによるACT-SC法での分取を行い、遺伝子発現等の検証を引き続き行う。

次年度使用額が生じた理由

本年との予算はほぼ計画通りに使用したが、研究の進展により、心筋細胞分化に伴い興味深い遺伝子発現変化が見られた。そこで、分化と遺伝子発現との関連性について、さらに検討を行う必要性が生じ、研究計画の変更が必要となった。本計画を発展させるため、補助事業期間の延長を行いたいため、一部を未使用金額とした。

次年度使用額の使用計画

心筋細胞分化と遺伝子発現との関係性について検討するために、細胞の培養や遺伝子発現解析等のための試薬と消耗品の購入に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 独自開発の増殖制御型アデノウイルスベクターによる新たなES/iPS細胞の腫瘍化細胞治療技術の開発2015

    • 著者名/発表者名
      三井薫、井手佳菜子、高山明子、和田忠久、小戝健一郎
    • 学会等名
      第14回日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      神奈川(パシフィコ横浜)
    • 年月日
      2015-03-19 – 2015-03-21
  • [学会発表] 井手佳菜子、三井薫、松下洋平、小戝健一郎2015

    • 著者名/発表者名
      ES/iPS細胞の腫瘍化細胞を可視化・標的殺傷するレンチウイルスベクターの効率的作製法の開発
    • 学会等名
      第14回日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      神奈川(パシフィコ横浜)
    • 年月日
      2015-03-19 – 2015-03-21

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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