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2013 年度 実施状況報告書

ユビキチン系制御によるES・iPS細胞から心筋細胞への効率的分化誘導法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24591105
研究機関独立行政法人国立循環器病研究センター

研究代表者

朝倉 正紀  独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 室長 (80443505)

研究分担者 北風 政史  独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 部長 (20294069)
キーワード心筋分化 / ユビキチン / プロテアソーム系
研究概要

重症心不全の新たな診断・治療法の開発は喫緊の課題であり、幹細胞から心筋細胞への分化機序を詳細に解明することが重要である。ES幹細胞から心筋細胞への分化因子を同定する目的で、網羅的遺伝子発現解析を施行したところ、ユビキチンプロテアソーム系分子であるE3リガーゼAsbの同定に成功した。C2C12細胞から筋系細胞への分化に伴い、Asb遺伝子発現が亢進する一方、BMP添加による骨系細胞への誘導では発現亢進を認めないことを見出した。この結果は、筋系細胞への分化に選択的に重要な役割をしていることを示唆する所見である。E3リガーゼであるAsb蛋白の基質探索が本研究を進めるうえで大変重要であり、生化学的結合実験によるクローニングとin silicoによるデータベースを用いたクローニングを進めた。データベースの探索から、既に報告されているfilaminA/Bに加えて、BMPシグナルに関与するSmad分子がAsb蛋白の標的候補として同定された。AsbによるSmad分子のユビキチン化が生化学的に明らかとなった。またAsb分子の生体内の機能を明らかにするために、両アレルのAsb遺伝子が欠損したES細胞を作成することを目標に、Asb遺伝子欠損ES細胞樹立を進めている。従来の研究からBMPシグナルは心筋発生に極めて重要な役割を演じていることから、Asb遺伝子が心筋発生におけるBMPシグナルを修飾している可能性があり、現在、研究を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画の記載しているE3リガーゼであるAsb蛋白の心筋細胞への分化における基質の探索に関しては、in silicoによるデータベース探索をもとに候補分子としてSmadに注目をした。E3リガーゼとしての生化学的検討により、Smad分子がAsb2蛋白により分解を受けることを明らかにした。Smad分子のE3リガーゼとして報告されているSmurf1&2の評価も行った。平成25年度に行う予定であったAsb遺伝子欠損ES細胞の樹立に向けた研究を進行中である。平成25年度に行う予定の計画がほぼ順調に研究を進行している。

今後の研究の推進方策

今後の研究に関して、当初に計画した研究計画書に基づき進めていく予定である。平成25年度に引き続き、E3リガーゼであるAsb蛋白の基質候補分子であるSmadを用いた生化学的解析を中心に行い、Asb蛋白のSmadのユビキチン化メカニズムを検討する。具体的には、ユビキチンプロテアソームによる蛋白分解をtime-chaseで評価する。さらに、それらの効果がプロテアソーム阻害薬であるMG132やラクタシスチンなどで抑制されるかを検討する。さらに、平成25年度に引き続き、Asb遺伝子欠損ES細胞樹立に向けた研究を進める。また、生体内でのAsb2の役割を明らかにするために、ゼブラフィッシュ等の動物モデルを用いて検討をする予定である。

次年度の研究費の使用計画

当初、平成25年度期間にてAsb遺伝子欠損ES細胞樹立を計画していた。しかし、さらに研究を伸長するための準備を行うこととなった。
上掲のように、平成26年度はAsb遺伝子欠損ES細胞樹立を実施、さらに、生体内でのAsb2の役割を明らかにするため、ゼブラフィッシュ等の動物モデルを用いて検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The E3 ligase Asb2 regulates cardiac development through targeting Smad9 for proteasomal degradation

    • 著者名/発表者名
      K.-D. Min, M.Asakura, et al.
    • 学会等名
      第78回日本循環器学会学術集会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム

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公開日: 2015-05-28  

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