重症心不全の新たな診断・治療法の開発は喫緊の課題であり、幹細胞から心筋細胞への分化機序の解明が果たす役割は大きい。我々は、心筋細胞の分化過程で重要な因子を同定するための網羅的遺伝子発現解析からE3リガーゼであるAsb2を同定した。Asb2は発生の早い段階から心臓予定領域で発現を認め、その後も心筋・骨格筋に特異的な発現を認めた。データベースの解析から、Asb2がSmad9と結合することを突き止め、さらにSmad9の分解を介してBMPシグナルを調節することでAsb2が正常な心筋細胞の分化に重要な役割を果たすことを明らかにすることができた。
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