動脈硬化病変、大動脈瘤の進展および腫瘍血管の形成過程では、これら組織リモデリング過程で形成された血管の脆弱性がその病態において重要な役割を果たしていることが知られている。本研究では、炎症細胞、特にマクロファージ極性に着目し、血管リモデリング過程における炎症惹起型、炎症抑制型マクロファージの役割について解析を行った。その結果、腫瘍を含む未熟な血管新生過程において、炎症惹起型マクロファージの持続的な集積が血管脆弱性の原因となっていることを明らかにした。血管増殖因子のみならず、マクロファージ亜集団の挙動を制御することで、血管リモデリングの正常化を引き起こせる可能性が示された。
|