研究概要 |
本研究では、当研究室で樹立したMR導入血管内皮細胞株(MR-EAhy)でアルドステロンで発現誘導される網羅的遺伝子解析から再現性・特異性および病態との関連性で選定された3遺伝子(ANGPTL4, ESM-1, SNF1LK)(文献1)について、1)培養細胞、2)疾患動物モデル、3)原発性アルドステロン症(PA)患者の臨床検体、のレベルで総合的に解析し、MR特異的な血管細胞情報伝達および血管障害機序の解明を目指している。 ANGPTL4のLPL阻害作用について、MR-EAhy培養にLPL標準品あるいは3T3L1細胞上清を添加した際のLPL活性を蛍光色素にて検討したが有意な抑制効果は得られなかった。また、Aldo負荷高血圧ラットおよび原発性アルドステロン症患者の血漿でのANGPTL4蛋白量を を対照にイムノブロットにて検討したが、ShamOPラットおよび原発性アルドステロン症治療後血漿検体の対照群と差を認めなかった。 原発性アルドステロン症患者の尿のエクソソーム分画でNa-Cl共輸送体(NCC)が増加していることを腎臓内科との共同研究で見出した。アルドステロンによる誘導遺伝子のひとつと考えられ、NCC活性増加がアルドステロンの食塩感受性高血圧進展に関与する可能性が示唆される。
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