研究課題/領域番号 |
24591113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
岡本 隆二 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60378346)
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研究分担者 |
伊藤 正明 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00223181)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 心臓線維化 / 内皮間葉移行現象 / TGFβ / Rhoキナーゼ |
研究概要 |
心臓線維化における、内皮間葉移行の分子メカニズムを解明するために、内皮細胞でPECAM1(内皮細胞マーカー), αSMA(平滑筋アクチン)およびFSP1(線維芽細胞特異的タンパク質)の免疫染色を、マウスの疾患モデルおよび剖検心で行ったところ、FSP1のシグナルが弱く、またin vivoおよびin vitroにおいてもFSP1とPECAM1が重なる細胞は観察されなかった。剖検心では、PECAM1とαSMAの共発現をごく少数に認めるのみであった。PECAM1とFSP1の一致は認められなかった。このため使用するレポーターマウスを変更した。内皮間葉移行現象を解析するには、内皮細胞由来の細胞を経時的に追いかける必要があり、pTie2-CreマウスとROSA26-pCAG-lox-stop-lox-tdTomatoマウスを交配させることで、内皮細胞由来の細胞をマーキングすることとした。このマウスをさらにpFSP1-EGFPマウスと交配させ、tdTomatoおよびEGFPのシグナルが重なる部位を、共焦点顕微鏡を用いて検討を行う予定である。現時点ではこれらのマウスの交配を行うと同時に、心筋梗塞モデルおよび横行大動脈結紮モデルによる線維芽細胞の伸展様式を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PECAM1(内皮細胞マーカー)、およびαSMA(筋線維芽細胞マーカー)、FSP1(線維芽細胞マーカー)の3種類のレポーターマウスを用いる予定であったが、上述の如くPECAM1とFSP1を共発現する細胞を確認できないため、レポーターマウスの種類を変更した。すなわち、Tie2-CreマウスとROSA26-pCAG-lox-stop-lox-tdTomatoの交配で、内皮細胞由来の細胞をtdTomatoで標識を行うこととした。マウスを他施設より搬入する際、検疫の後汚染マウスであることが判明し、マウスのクリーニングなどに時間を費やした。
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今後の研究の推進方策 |
マウスの繁殖および交配が完了次第、心筋梗塞モデルおよび横行大動脈結紮モデルを作成し、tdTomato(Tie2-Creで内皮細胞由来細胞を標識)およびEGFPがどの時点、及びどの場所で一致するのか、経時的に病理標本を作製し、解析を行う予定である。一方でtdTomato陰性でEGFP陽性の細胞を間質および骨髄由来の線維芽細胞と判断し、その比を疾患モデルごとに検討する。 一方でRhoキナーゼ1および2欠損マウスと上記のマウスを検疫飼育中である。今後上記のマウスと交配を行い同様に疾患モデルを作成し、コントロールマウスと比べて、内皮間葉移行の頻度に違いがあるか検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
マウスの輸送、クリーニングおよび飼育費用、病理標本作製費用、手術器具費用、細胞培養等の消耗品
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