今後の研究の推進方策 |
平成24年度の結果をもとに、以下の検討を行う。 ①RhoA/ROCKシグナルのキー分子(RhoA,RhoGEF,RhoGAPなど)とMURCの関係の検討 血管平滑筋細胞でMURCがRhoA活性を変化させるか検討し、さらにROCK阻害薬でMURCによる増殖能・遊走能亢進が影響を受けるか確認する。RhoA/ROCKシグナルにはRhoA(GTP or GDP form)、RhoGEF、RhoGAPなど様々な分子が関わっており、カベオラは様々な蛋白を膜で活性化させるのに重要な役割を担っていることも知られていることから、MURCとそれら分子を免疫沈降反応やpull-down assayなどを用いて結合性を検討する。また、肺高血圧患者にはエンドセリン(ET)拮抗薬が治療に使われるが、ETがET受容体に結合すると三量体G蛋白質(G12/13)を介してRhoを活性化しその後のシグナルを伝えることが知られている。そのため、Rho関連分子以外にG12/13とMURCの関係も上記同様に検討し、ET受容体刺激からのRhoAシグナル経路にMURCが関与しているかどうかを検討する。 ②MURC欠損マウスに低酸素負荷を行い作成した肺高血圧モデルでのMURCの役割の検討 WTとMURC-KOそれぞれに対して低酸素負荷による肺高血圧を作成し、肺高血圧の程度や肺動脈における内膜肥厚の程度を比較検討する。さらに、肺組織からのmRNAやタンパク発現などを使い、Rho/ROCKシグナルを中心に比較して、肺高血圧におけるMURCの役割を詳細に検討する。
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