研究課題
新規アポA-I模倣ペプチド(FAMP):新たな動脈硬化の診断・治療法の確立をテーマとし、最終年度も前年度に引き続きFAMPによる動脈硬化の診断および治療の二面から研究を実施した。動脈硬化の診断に関しては、現在、安全性を確認し、薬理学的用量を設定し、PET薬剤を製造・品質検定終了し、実施施設と協議中である。動脈硬化の治療に関しては、以前、マウスにおける動脈硬化抑制試験にて、動脈硬化抑制を確認したが、最終年度はそのメカニズムについて検討するため、in vivo efflux study、さらに、turn over study、reverse cholesterol transfer studyを実施した。FAMPの動脈硬化抑制機序は、コレステロールの便中への排泄増加によるものであると考えられた。以上より、本研究は、3年間にて、新たな動脈硬化の診断イメージングとして、ウサギにて核種64Cuにて標識するよりも68Ga-DOTA-FAMPによる動脈硬化層の描出が優れていることを報告した。さらに、臨床試験に向けて、安全性試験をDOTA-FAMP複合体にて動物において実施後、安全性を確認し、薬理学的用量を設定し、PET薬剤を製造・品質検定した。このように様々な面において設定が終了し、臨床試験への最終段階となった。治療法の確立では、in vitroにてFAMP投与によりpre beta-HDLの増加と考えられるコレステロール引き抜き能の増強効果をefflux studyにより確認した。マウスにおいてFAMPの抗動脈硬化作用を確認し、FAMP投与による血中C反応性蛋白や単球走化性因子-1といった炎症物質が減少し、その抗炎作用も証明し、心筋梗塞マウスモデルにおいて生存率の改善も認めた。さらに、抗動脈硬化作用のメカニズムも明らかにした。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
Int J Cardiol.
巻: in press ページ: in press
IJC Metabolic & Endocrine.
巻: 5 ページ: 70-72
IJC Heart & Vessels.
巻: 4 ページ: 135-137