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2013 年度 実施状況報告書

好塩基球特異的欠損マウスを用いた気管支喘息の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 24591126
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

玉岡 明洋  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50447471)

研究分担者 烏山 一  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60195013)
キーワード好塩基球 / 気管支喘息 / マウス / 卵白アルブミン
研究概要

我々は、OVA(卵白アルブミン)による感作と吸入チャレンジを用いたマウス気管支喘息モデルへの抗好塩基球除去抗体であるBa103を投与するモデルと烏山らの確立した好塩基球特異的欠損マウス(Mcpt8DTR マウス)においてOVA感作およびチャレンジを行うモデルにおいて、好塩基球が気管支喘息においてどのような役割を果たしているかを検討した。Ba103投与モデル、Mcpt8DTRマウスモデルともにOVAチャレンジ後にBAL中総細胞数の増加、好酸球の増加、気道過敏性の亢進を認めたものの好塩基球除去による、気道過敏性の抑制、BAL中炎症細胞の抑制効果は見られなかった。
喘息については関連する施設よりマスト細胞が喘息に関与することを証明する一方、好塩基球の関与には否定的なデータが提示された(J Immunol 188: 1809-18, 2012)ため、途中から研究の方向性を変更し、アレルギーにおける好酸球の機能を解析する目的で広く用いられている好酸球欠損マウスでの好塩基球の動態をテーマに研究を行なってきた。1)GATA-1(好酸球発生に重要な遺伝子)は好塩基球に発現していること、2) delta-dblGATAマウスでは好塩基球数、IgE-抗原刺激での好塩基球のサイトカイン放出が弱いこと、3)Basophil precursorの時点でdelta-dblGATAマウスの好塩基球が少ないことなどがわかった。
最終的には当初の仮説と目標からは少し外れるが、ここまでの研究も活かして、GATA-1が好塩基球の産生と機能に重要な役割を果たしていることを証明する研究にも一部派生している(PNAS 110: 18620-18625, 2013)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実績の概要にも述べたが、好塩基球の除去がマウス気管支喘息モデルにおいて、気道炎症や気道過敏性を抑制するという最も重要な仮説は、否定的という結論になったが、当初の目標であった、気管支喘息モデルの再現と好塩基球除去の応用という手順は予定通り施行できた。ネガティブデータとはなったが重要な知見が得られたと考えられる。

今後の研究の推進方策

本モデルでの研究は一旦終了となるが、好塩基球が直接的でなくとも間接的に気管支喘息に関与している可能性、たとえば気道リモデリングなど慢性的な経過に関与している可能性については検討の余地があると考える。今後モデルを変更して好塩基球除去の影響を検討していくことも考えたい。

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公開日: 2015-05-28  

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