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2015 年度 実績報告書

mTOR関連細胞生存シグナルの制御による慢性閉塞性肺疾患発症およびその機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24591127
研究機関信州大学

研究代表者

安尾 将法  信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (20402117)

研究分担者 花岡 正幸  信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (20334899)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード肺気腫 / 動物モデル / アポトーシス / 炎症
研究実績の概要

最終年度に実施した研究の成果:H27年度はシロリムス投与によって生じたラット肺内の炎症が、いわゆる薬剤性肺障害としての間質性肺炎を反映しているのかどうかについて検討した。ラット肺および血清のKL-6をELISA法によって測定した。結果はシロリムス投与ラット肺、血清においてKL-6の上昇は認めず、通常ヒトでみられるシロリムス投与に伴う薬剤性肺障害とは発症機序が異なると考えられた。

研究期間全体を通じて実施した研究の成果:本研究は、mTOR阻害薬のもつ、細胞増殖抑制効果がラット肺に気腫様病変を発症するという仮説の下に行った。mTOR阻害薬としてシロリムスを用いた。気腫様病変については平均肺胞径とDestructive Index(肺胞の破壊の程度の指標)を用いた。細胞増殖抑制効果については、phospho-Akt, VEGF, active Caspase-3などを用いた。

組織学的検討において、シロリムス投与されたラット肺は気腔の拡大を認めていた。シロリムス投与ラット肺組織ではmTOR活性の指標であるphospho S6Kの有意な活性低下を認めた。同ラット肺組織においてVEGF, phosphor Akt発現の低下、STAT1, active Caspase-3の発現亢進を認め、mTORの阻害が細胞増殖を抑制し、肺胞構成細胞のアポトーシスによって気腔の拡大を認めたと推測された。一方本薬投与ラット肺では、肺内小血管周囲に円形細胞の浸潤がみられた。免疫組織化学的検討により、この円形細胞はCD8陽性T細胞であることが判った。このことはシロリムス長期投与例においてCD8陽性T細胞の増殖がみられるという過去の報告と一致していた。尚、本薬投与のラット肺組織中のgranzyme B濃度を測定したところ、コントロール肺よりも有意に高値であり、CD8陽性T細胞による炎症が存在すると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Sirolimus induced airspace expansion and perivascular CD8 lymphocyte accumulation in rat lung2015

    • 著者名/発表者名
      Masanori Yasuo (安尾 将法)
    • 学会等名
      American Thoracic Society 2015 International Conference
    • 発表場所
      アメリカ(デンバー)
    • 年月日
      2015-05-15 – 2015-05-20
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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