気道のウィルス感染はCOPD・喘息の増悪の誘因となる。B7-H1(別名PD-L1)はウィルスが感染した細胞に発現が誘導され抗ウィルス免疫を減弱させる。この機序を解明することでウィルス感染の遷延化を頓挫させる治療が可能となる。我々はヒト気道上皮細胞をウィルス由来2本鎖RNAの擬似合成物であるpoly IC、あるいは呼吸器合胞体ウィルスで刺激することによってB7-H1発現を誘導する実験において、B7-H1発現がPI3キナーゼ依存性であることを明らかにした。さらにマウスのpoly IC気管内投与による気道炎症モデルを確立し、PI3キナーゼ阻害剤投与が肺におけるB7-H1発現を抑制する傾向を確認した。
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