研究課題/領域番号 |
24591134
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
山本 佳史 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00458035)
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研究分担者 |
木村 弘 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20195374)
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80271203)
友田 恒一 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90364059)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / 表現型規定因子 / 日米比較 / 気腫 |
研究実績の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の肺病変は、気腫型と非気腫型の2つの表現型に大別される。気腫型は本邦に多く見られ、臨床像の特徴としては、栄養障害を伴い、呼吸不全死が多い。非気腫型は欧米に多く、肥満を伴い、心血管関連死が多い。栄養障害や心血管疾患は、COPDの予後を規定する重要な併存症であり、COPDの表現型と併存症は深く関連していると推測されている。GOLDにおいても様々な併存症を伴う全身性疾患として治療を行う重要性が明記されており、COPDの表現型に着目した疾患管理が望まれるが、表現型および併存症を規定する因子については未だ解明されていない。米国Harvard大(現Cornell大)Choi教授の協力を得て日本と米国のCOPD患者の血液を採取し、両国の患者間の血中マーカーの相違を検討することでCOPDにおける表現型および併存症を規定する因子を探求する。さらに、これらの規定因子とCOPDの病態との関連性を明らかにすることが本研究の目的である。 本年度は自食(オートファジー)について検討を行った。 方法:本年度は当科外来通院中のCOPD患者と昨年度登録した健常非喫煙者、健常喫煙者においてオートファジー調節因子であるLC3Bの血中濃度を比較検討した。 結果:①健常非喫煙者、健常喫煙者、COPD患者の順にLC3B濃度の低下を認めた。 ②胸部HRCTで評価した気腫の程度が強い程LC3B濃度は低下している傾向を認めた。 結論:本邦に多く認められる気腫型のCOPDでは、喫煙からCOPDを発症・進展する過程において全身でのオートファジー機能が低下し、気腫病変の発症・進展に関与する可能性が考えられた。
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