肥満による喘息増悪の病態を明らかにし新たな治療法を開発するため食餌性肥満マウス喘息モデルを用いて検討した。肥満により抗原吸入後の喘息反応は増悪し、肺組織内のTh2反応は増強した。腎周囲脂肪組織ではadiponectin遺伝子発現が低下し、leptin、TNF-a、MCP-1、IL-10遺伝子発現は増強したが、抗原吸入後に著明なTNF-a遺伝子発現増強とIL-10遺伝子発現低下を認めた。以上の結果から、肥満による内臓脂肪組織の機能的変化とアレルギー性気道炎症との相互作用により肺組織内でTh2反応増強が生じて喘息悪化に関与していることが示唆され、この相互作用が新たな治療標的になり得ると考えられた。
|