我々は以前に、低酸素下でのHypoxia inducible factor-1 α (HIF-1α)とヒストン脱アセチル化酵素7(HDAC7)の核内移行が、COPD患者で低下している事を発見した。同所見と肺気腫の進行の関連を検討した。 HDAC7ノックダウン細胞では、低酸素下でのHIF-1αの核内移行が低下し、VEGF産生増加が抑制されていた。低酸素暴露によるサイトカインや蛋白分解酵素の産生増加は、HIF-1α 非依存性、NF-kB p65依存性で、HDAC7ノックダウン細胞でも保たれていた。COPD患者で見られている低酸素応答の異常は、肺気腫の進行の要因のひとつとなっている可能性が示唆された。
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