• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

オートファジーによる慢性閉塞性肺疾患の増悪メカニズムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 24591142
研究機関日本医科大学

研究代表者

石井 健男  日本医科大学, 医学部, 講師 (90445750)

研究分担者 萩原 弘一  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00240705)
キーワード慢性閉塞性肺疾患 / 増悪 / オートファジー / 遺伝子多型 / 病態関連遺伝子 / 慢性炎症
研究概要

1. NODs, オートファジー関連蛋白ATG16L1の遺伝子多型とCOPD増悪頻度の関連:COPD 135例で、COPDと関連既報告のあるNOD2 promoter SNP rs1077861と増悪頻度の関連も検討、有意な結果なし。
2. NOD1, ATG16L1 経路のCOPDの病態への関与メカニズムの検討:NOD1のcSNP rs2075820のCアレルの頻度はCOPDの閉塞性障害の程度(FEV1%pred)やFEV1低下速度と有意に関連、NOD1の刺激でCOPD の気道病変の形成が進み、進行の程度が本SNPで変化すると推測。好中球系細胞にてNOD1の刺激により有意に変化する遺伝子カスケードを検討。好中球モデル細胞HL-60をNOD1 stimulant (M-TriDAP)で刺激、mRNA発現のマイクロアレイデータからパスウエイ解析を行った。NOD1がp38 pathwayの活性化に寄与することが判明。rs2075820のSNPの変化が、NOD1 stimulantによるp38 pathwayの刺激の程度を変え、ひいてはCOPDの慢性気道炎症、COPD progressionの変化を引き起こすと考えた。本仮説検証のため、NOD1の同SNPの野生型、変異型のstable transfectantを単球系および好中球系cell lineにて作成中。
ATG16L1において、増悪頻度と関連の見られたSNP(rs2241880)の変化により細胞のLPSなどへの反応の変化があると仮定。検証のためにATG16L1の同SNPの野生型、変異型のstable transfectantを単球系および好中球系cell lineにて作成中。
3. オートファジーの細菌への免疫応答への関与のin vitroでの検証:LC3-GFPのstable transfectantをTHP-1細胞で作成中。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の昨年度研究計画としては、NODs及びATG16L1のSNPにて増悪と関連が見出された場合、そのメカニズム検討のために培養細胞およびCOPD患者からの細胞を用いて検証をしていくこととなっている。
COPD増悪ではないが、細菌のcolonizationによる慢性炎症からのCOPDの進行にNOD1のSNPの関与が示唆され、可能性の高い経路としてp38経路が新規に見出された。COPDの病態進行について新知見を、関与するSNPを交えて見出すことが可能になってきている。
本件およびATG16L1の増悪への関与を検証するための細胞系の構築がやや遅れているが、細菌感染を引き金にしたCOPDの病態進行メカニズムの、geneticsの観点からの解明には近づいており、当初仮説よりやや仮説が広がりを見せているが、順調にすすんでいると考える。

今後の研究の推進方策

NOD1, NOD2, およびATG16L1の候補SNPと増悪頻度との関連は総じて検討済である。ただ、先日、LPSによるNOD2の発現誘導を変化させるSNPが見出されており、増悪頻度との関連が疑われることから、追加検討の予定としている。
COPDと関連したNOD1 SNPの野生型、変異型の遺伝子導入細胞を用いて、NOD1 stimulantによる刺激でp38経路活性化の程度が同SNPにより異なるか検証予定である。
COPD増悪と関連したATG16L1 SNPの野生型、変異型の遺伝子導入細胞を用いて、LPSなどによる刺激で炎症性サイトカイン(IL8, TNF-alhaなど)発現の程度が同SNPにより異なるか検証予定である。
COPD患者サンプルによる検討も行えればと考えている。

次年度の研究費の使用計画

増悪との関連可能性のあるSNPの候補が見出されたものの、発注から納品までの行程が25年度内に間に合わないと判断されたため、26年度に繰越。
同資金を用いて、増悪に関連が目されるNOD2関連の遺伝子型決定を行っていく予定としている。

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi