研究実績の概要 |
1. NOD1経路のCOPDの病態への関与メカニズムの検討:NOD1のcSNP rs2075820のCアレルの頻度はCOPDの閉塞性障害の程度(FEV1%pred)やFEV1低下速度と有意に関連。一方、好中球系細胞にてNOD1の刺激により有意に変化する遺伝子カスケードを検討したところ、NOD1がp38 pathwayの活性化に寄与することが判明。そこで、rs2075820のSNPの変化が、NOD1 stimulantによるp38 pathwayの刺激の程度を変えるか検討するため、NOD1の同SNPの野生型、変異型のstable transfectantを単球系および好中球系cell lineにて作成中。また、p38経路の活性化を検討するためのELISA kitを購入し、実験系の最適化を行っている 2. ATG16L1 経路のCOPDの病態への関与メカニズムの検討:ATG16L1において、増悪頻度と関連の見られたSNP(rs2241880)の変化により細胞のインフルエンザ桿菌死菌への反応の変化があるか検証することとした。COPD患者のrs2241880の遺伝子型を決定、また同患者の末梢血単球を抽出しインフルエンザ桿菌死菌を加えてIL1b, TNF, IL10, IL8などのサイトカインの発現パターンを検討したところ、同SNPはIL10の発現パターンと有意に関連していた(p = 0.04)。 3. ATG16L1のSNPが増悪を介して閉塞性障害に関連しているか検討:COPD stage II~IVでは、ATG16L1にて増悪頻度と関連の見られたSNP(rs2241880)はFEV1%predとも関連のある傾向があった(p = 0.06)。
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