研究概要 |
非小細胞肺癌(NSCLC)腫瘍組織におけるBH-3 only proteins(Bim,Noxa,Puma)についての免疫組織学的検討: NSCLC腫瘍組織におけるBH3-only proteins(Bim, Noxa, Puma)に関する免疫組織学検討を行うために当院で外科的切除を施行されたNSCLC135例を用いた。これらの蛋白発現と臨床学的因子、予後との関連を調べた。一次抗体は抗Bim抗体(Lab Vision, 1:300)、抗Noxa抗体(Biovision, 1:200)、抗Puma抗体(Abcam, 1:50)を使用し、過去の報告に基づき、腫瘍細胞が各抗体に50%以上陽性の場合は高発現、50%未満の発現の場合には低発現とスコアーした。その後臨床学的因子、予後との相関について統計学的に検討を行った。各種抗体の特異性を調べるために同一腫瘍組織から蛋白抽出と組織切片を作成しwestern blot法と免疫染色を行い両者の一致の有無を検討した。抗体の特異性を調べるために同一のNSCLC組織の免疫染色とwestern による蛋白発現を検討したところ各種蛋白発現は一致した結果を認めた。Bimの発現は性別、喫煙歴、組織系、pT、pStage、分化度と関連を認め多変量解析においてBimの発現低下と扁平上皮癌との関連を強く認め、またBimの発現上昇は高分化型腫瘍との関連を認めた。さらにBimの発現低下はKi67高発現との関連があった。Noxaの発現もまた喫煙歴、組織系との関連があったが、多変量解析においては関連を認めなかった。Pumaについては臨床因子との関連はなかった。いずれの蛋白発現も夜ごとの関連は認められなかった。以上の結果からBimの発現は扁平上皮癌との関連、腫瘍増殖との関連が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度においては非小細胞肺癌(NSCLC)腫瘍組織におけるBH-3 only proteins(Bim,Noxa,Puma)についての免疫組織学的検討と臨床因子、予後との関連を調べる予定でありその研究は終了し論文化(BMC cancer, 2012)した。このため現時点ではほぼ順調に進展していると考えられる。
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