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2012 年度 実施状況報告書

遺伝子改変マウスを応用した肺胞上皮幹細胞の同定

研究課題

研究課題/領域番号 24591148
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

山田 充啓  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00396483)

研究分担者 久保 裕司  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20332504)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード組織固有幹細胞
研究概要

SPC-rtTA & TRE-H2BGFPマウスにドキシサイクリン(DOX)を胎生6.5日から生後14日まで投与すると、肺胞上皮系細胞の核がGFPにより標識されていた。DOXを中止し、2、4、6週間後の肺を観察すると、経時的に大部分の肺胞上皮細胞はGFP標識を失っていったが、6週間後でも標識が核内に残存している細胞群 (LRCs≒肺胞上皮幹細胞)を確認した。
DOX投与を中止後6週間後でも標識を保持している細胞群(LRCs)をフローサイトメトリーにて同定し、上皮幹細胞マーカー候補分子の発現について解析を行った。上皮幹細胞マーカー候補分子(Sca-1, CD34, CD90, c-kit, CD24, α6-integrin, β4-integrin)について、LRCsとGFP標識を失った肺胞上皮細胞(H2B-GFPlow 細胞)を比較解析した所、LRCsではβ4-integrinの発現がH2B-GFPlow 細胞に比し明らかに上昇していた。他マーカーについては両者の細胞群に発現の差異を認め無かった。
セルソーターを用い、LRCsを分離し、マトリゲル・コラーゲン上で培養を行い、増殖能・コロニー形成率についてH2B-GFPlow 細胞と比較検討した。LRCはH2B-GFPlow 細胞に比し、明らかにコロニー形成率が高く、またコロニーの大きさも大きかった。
LRCsの解剖学的位置を確認するため、DOX投与を中止後6週間後のSPC-rtTA & TRE-H2BGFPマウス肺組織切片を作成し、共焦点顕微鏡による観察を行った。これまでの報告(Kim CF et. al; Cell. 2005 121:823など)では、肺胞と細気管支の接合部に気管支肺胞幹細胞(BASCs)が存在すると報告されていたが、LRCsは同部位に特化して局在しているわけでなく、肺胞領域に散在していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の研究計画では平成24年度に実施予定であった、LRCs(≒肺胞上皮幹細胞)の網羅的遺伝子発現解析(Affymetrix GeneChip 解析)が実施できておらず、当初の計画よりもやや遅れている。これは、希少細胞群であるLRCsから品質の高いRNAサンプルを抽出するのに、セルソーターによるLRCsの分離を繰り返し行う必要が出たため、想定以上に時間を費やしたためである。現在、品質の高いRNAサンプルは得られており、平成25年度早期に、網羅的遺伝子発現解析を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

平成24年度にて得られた成果および平成25年度早期に実施する予定の、LRCs(≒肺胞上皮幹細胞)の網羅的遺伝子発現解析の成果を元に、肺胞上皮幹細胞の増殖因子・保護因子の解析・同定、および疾患モデルマウスでの肺胞上皮幹細胞の動態解析を推進していく。
当初の研究計画では平成24年度に実施予定であった、LRCs(≒肺胞上皮幹細胞)の網羅的遺伝子発現解析(Affymetrix GeneChip解析)をまず実施する。網羅的遺伝子発現解析の結果および平成24年度の成果をもとに、肺胞上皮幹細胞の増殖・保護因子の候補を推定する。そして、候補因子が肺胞上皮幹細胞の増殖・保護に対する影響を培養系にて確認し、培養系にて効果が確認できた増殖・保護因子(及び関連するアゴニスト・アンタゴニスト)をマウスに投与し、in vivoでの増殖・保護作用を確認する。さらに、疾患モデル(LPS急性肺傷害モデルやブレオマイシン肺線維症モデル)に肺胞上皮幹細胞の増殖・保護因子を投与し、病態の改善効果があるか確認する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、当初平生24年度に計画していたLRCs(≒肺胞上皮幹細胞)の網羅的遺伝子発現解析を次年度に延期することによって生じたものであり、延期した網羅的遺伝子発現解析に必要な経費として、平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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